中古ブランド品販売の「大黒屋」を運営する大黒屋ホールディングス <6993> が同業のブランドオフを買収すると日本経済新聞が報じた。買収額は約90億円と見られ、店舗数は現在の2.5倍となる50店超に広げるという。スケールメリットを出す事で中古ブランド品市場での成長を目指し、首位を走るコメ兵 <2780> を追う。
「爆買い」減速で中古ブランド品市場は低迷傾向
大黒屋HDの2017年3月期売上高は前年同期比2%増となる205億円と微増を保っている。しかし内訳を見ると、主要子会社の大黒屋の売上高は同12%減の150億円となっており、国内中古ブランド品市場では苦戦を強いられている。同市場は訪日外国人の「爆買い」に支えられていたが、足下ではその勢いも鎮火傾向にあり、同社もテコ入れの必要に迫られていたようである。大黒屋は国内に22店舗を構え、同市場では2位の立ち位置にあると見られる。
ブランドオフは金沢市に本社を置き、国内に約30店舗を構える。ショッピングセンター内の店舗も多く、大黒屋の進出していない地方都市にも店舗を構えている。同市場では3位に位置すると見られる。
実際の買収は大黒屋HD子会社で中間持株会社であるエスビーオーが行うと見られる。ブランドオフの創業者などから発行済み株式を全て買い取る。買収額は約90億円、ブランドオフの従業員約400人はそのまま引き継がれるという。また、店舗についても、ブランドオフのブランドを残す事も検討するとしている。
報道を受け、両社は買収交渉を進めている事実を認めた上で、現在も協議中であるとリリースしている。