鳥インフルエンザが韓国各地で発生している。終息直後の季節外れの発生で、感染源が究明できないなか、政府や自治体は拡散防止に追われている。
発生地域が分散
はじめに鳥インフルエンザが確認されたのは済州島だ。島内の市場で烏骨鶏5羽が死に、さらに育てていた鶏3羽も死んだことから地元の農家が通報。韓国農林畜産食品部の精密検査でH5N8型高病原性鳥インフルエンザと確定したが、これまで島内では鳥インフルエンザは発生しておらず、2017年5月27日以降、全羅北道群山市の種鶏農場から流通会社を通じて入手した若鳥が疑われた。
済州道は、鳥インフルエンザが検出された地域の農家が保有する59羽に加え、拡散を予防するため、周囲3km内の農家が飼育する家禽類11万9681羽の殺処分を決定。道内全域で100羽未満の小規模農場に対する家禽類を買い上げることとした。
調査の結果、群山市でも鳥インフルエンザが確認されている。全羅北道は発生を受け、6月3日に群山市の農家から供給された道内の烏骨鶏を全て殺処分。釜山市も簡易検査で陽性反応が出た農家の鶏、アヒル、烏骨鶏4228羽を殺処分して埋却し、ソウル近郊の京畿道坡州市でも殺処分が行われた。
全羅北道の益山や全州、慶尚南道の梁山や蔚山市でも鳥インフルエンザが確認されているが、2017年6月15日の国際獣疫事務局(OIE)の発表では感染源は不明となっている。