「新債権王」の異名を持つ、米投資会社、ダブルライン・キャピタル のジェフリー・ガンドラックCEOが2017年夏の米株下落を予期し、「トレーダーや投機家は今が売り時」との警告を発した。

ただし年末にかけて再び上昇することが期待されるため、投資家には「傍観して弱気市場が回復するのを待つ」ことを勧めている。

ボラティリティーは過去最低水準に

株式相場,投資,米株
(写真=Thinkstock/Getty Images)

6月の米株式市場はダウやS&Pが最高値を更新する一方で、ハイテク株が軟調に傾くといった、先の読みにくい状況が続いている。米連邦準備理事会(FRB)が3カ月ぶりの追加利上や、バランスシートの調節に着手する意向を明らかにするなど、市場をゆるがす要素が満載だ。

ジェフリー・ガンドラックCEOは、ボラティリティーが過去最低水準にまで落ち込んでいるにも関わらず、株価は最高水準に達している不均等性から、「市場は今夏、調整局面に入る」と予測している。

株式パフォーマンスと負の相関を最も鮮明に反映するといわれる「CBOE ボラリティ—指数(VIX)」は、6月13日に9.37まで低下 (CNBC調査)。1993年12月以来の最低水準となった。15日現在は11.24まで回復しているものの、劇的というほどの変動は見られない。

こうした静けさは短期間に限ったことではない。VIXは米大統領選以降、歴史的な低水準を維持している。通常は数値が高いほど市場の先行きが不透明とされているが、不気味なまでに静まり返った状態が、逆に不安感を掻き立てる。

ガンドラックCEO「次の金融危機の兆しは見えず」

ガンドラックCEOは米10年債利回りが上昇を続け、夏に予想されているさらなる追加利上げと共に、市場は調整局面に向かうと見ている。

米10年債は2016年7月に過去最低の1.32%を付けたにも関わらず、トランプ政策が追い風となり12月には2.60%を突破。6月15日現在は2.15%に落ち着いている。

「元祖債権王」のビル・グロス氏も指摘している通り、一部の市場関係者の間では2.60%が上昇相場の節目地点 と見なされていることから、今後の動きが注目されている。ガンドラックCEOは「3.0%が弱気市場への分岐点」としている。

市場で不穏な動きが増すにつれて次の経済危機への懸念も高まっているが、ガントラックCEOは「現時点では兆候がない」とその点に関しては楽観的だ。年末にかけて米市場が活気を取り戻すと確信している。

過去3年の四半期中、最も鈍化しているGDP (国内総生産)成長速度も、第2四半期には盛り返すと期待されており、ナスダック総合指数の好調ぶりも追い風となりそうだ。原油を含むコモディティーは「今後も価格上昇の見込みは薄い」との見解を示している。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)