LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)とSupreme(シュプリーム)のコラボによる、ポップアップストアが6月30 日、東京・南青山でオープン。公式アナウンスが直前で、しかも当日はあいにくの雨だったにも関わらず、オープン初日には5000人を超える人々が列をなした。

東京のほかにパリ、ロンドン、ロス、シドニー、北京、ソウルもあわせた世界8都市での同時オープンだが、東京ではあまりの人気でアイテムが完売、7月13日までの予定だったポップアップストアは閉店を7日に急きょ繰り上げることになった。同日は商品が追加されるとうわさが流れたこともあってか、8700人とも1万人ともされるだけの人が列をつくったという。

ヴィトンのアイテムにSupremeのブランドカラーであるレッドを採用、ロゴを配置したインパクトの大きなアイテムが並んだ。ファション系のメディアによれば、数百万円単位で買い物をした人も多かったようだ。性格がまったく異なる両ブランドのコラボレーションは、なぜ誕生したのだろうか?

ストリートカルチャーのシンボルだが、一部ではSupreme離れも?

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(画像=ルイ・ヴィトンWebサイトより)

Supremeは1994年にニューヨークのハーレムにオープンしたショップが始まり。当初はTHRASHERやVANSなどを取り扱うセレクトショップだったが、オリジナルデザインのTシャツが大人気となったことをきっかけに、オリジナルアイテムを増やしていった。

当初からカルバン・クラインのモノクロ広告にロゴステッカーを貼るプロモーションを行ったり、今回コラボしたルイ・ヴィトンやNHLなどのデザインを流用したアイテムを出したりと、おさわがせなブランドではあった。

しかしこれらのプロモーションは支持され、次第に存在感を増していった。今では有名なミュージシャン、アーティスト、セレブ、スポーツ選手たちが愛用している。たとえばカニエ・ウェスト、ファレル・ウィリアムス、ジャスティン・ビーバーらだ。ストーリーカルチャーのシンボル的な存在といえるまでになっている。
今回、ヴィトンとのポップアップストアを出したSupremeだが、これまでにもCOMME des GARCONSをはじめとした意外なブランドともコラボを果たしている。一見相容れないようなハイブランド、アヴァンギャルドなブランドとも違和感なくコラボできるのが、ストリートカルチャーのアイコンとなったSupremeの最大の特徴だ。

すでに確立したブランドイメージに革新性を持たせたいラグジュアリーブランドの代表格であるヴィトンがコラボレーションしたくなるほど、Supremeの存在感は強力ということだ。このコラボレーションによって両ブランドは、ラグジュアリーブランドのステイタス性とストリートブランドのカルチャーをあわせて手に入れることに成功している。

一方で、ここまで大きな存在になったことからニューヨークのスケーターの間ではSupreme離れの傾向が見られるとWWDは指摘している。そうした反応が生まれたのも、ハイブランドであるヴィトンとのコラボが発表されてからのこと。

そもそもヴィトンの商品の価格はそれなりに高いが、人気のSupremeとのコラボだけにいずれの会場に並んだアイテムも目を見張る価格だったようだ。たとえば、大型のトランクで770万円というものもあったそうだ(ヴィトンのオリジナルのトランクの2倍以上の価格)。また世界各地での開催だけに、各国のオークションサイトなどに既に商品が多数出品されており、いずれも定価の10倍前後の値段がつけられているという。

これまでも予想外のコラボを実現してきたSupremeがまた一つ伝説をつくった。日本での人気はまだ当分おさまりそうにない。(ZUU online編集部)