年齢を重ねていくほど、子どもや住宅などに関する支出が増えてきます。住宅ローンや教育資金、老後資金など、将来的にも資金が必要になるため、通常の収入以外で資金を増やす必要が出てきます。資金は簡単には増やせませんが、手持ち資産を運用して、その資産を増やすことで支出を補うことができます。

特に、30代後半~40代は年齢的にも仕事が忙しくなる時期なので、資産運用は時間と手間をかけずに行うことが得策です。今回は、今後発生する支出についてと、忙しい人への資産運用方法についても合わせて解説します。

30代後半~40代はお金について考える時期

(写真=Kzenon/Shutterstock.com)
(写真=Kzenon/Shutterstock.com)

まず、30代後半~40代はお金がかかる時期であることを知っておきましょう。お金がかかる時期であるからこそ資産運用が大事であり、その資産運用は時間をかけずに行いたいものです。また、30代後半~40代は会社でも要職を担う年齢です。そのため、仕事が忙しくなかなか時間を取ることができないという点からも、資産運用は時間をかけずに行うといいでしょう。

▪ 30代後半~40代で迎えるライフイベント
30代後半~40代で迎える代表的なライフイベントとしてマイカーやマイホームの購入、子どもの誕生や進学、結婚が挙げられます。特に、子どもの進学は中学、高校、大学と、年齢が上がるほど費用は上がり、教育資金が最も高額になるタイミングです。また、家庭によっては子どもが結婚する時期にもなるので、結婚費用もかかってきます。

▪ 30代後半~40代で発生する費用
前項のようなライフイベントから、一千万円単位の住宅費用や、多額の教育資金が必要になります。そのため、住宅ローンや教育ローンを組むなど、ローンを組んで資金を捻出する必要があるということです。さらに、支出が多くなるものの、自分たちの老後資金も考え始める時期です。ただ、収入よりも支出が多くなる可能性も高いため、資金を増やすための資産運用が必要になります。

時間をかけない資産運用

資産運用は時間をかけないことがポイントです。なぜかというと、資産運用に自分の時間をかけすぎてしまうと、以下のようなデメリットが生まれるからです。

・繰り返し投資しにくい
・かける時間がもったいない
・自力で行うことは難しい
・本業に支障が出る

上記のデメリットは、資産運用に関してはリスクにもなり得ます。また、収益を上げるどころか、全体的な収益を押し下げる要因にもなります。

● 繰り返し投資しにくい
まず、資産運用に時間がかかれば繰り返し投資しにくいです。これは、ほかの投資を行いづらい、複利効果を得ることが難しいといったデメリットになります。

資産運用に時間がかかれば、ほかの投資を行う時間がなくなります。たとえば、FX投資は為替レートの変動で利益を上げるという仕組みです。そのため、逐一為替レートの変動をチェックし、必要に応じて売り・買いの指示をする必要があります。

そうなると、ほかの投資を勉強する時間や、投資商品を選択する時間がなくります。その結果、一種類の投資しか行うことができず、多岐に渡っての投資は行いづらくなります。

また、資産運用に時間がかかると複利効果を得にくいです。複利効果とは、資金を増やして、その増やした資金で再度資産運用します。そのため、複利効果を使うことで、どんどん資産を増やしやすいということです。

ただ、結論からいうと、不動産投資は上記の複利効果や複数投資への分散をする必要はありません。この点は、後ほど後述しますが、簡単にいうと安定的に継続的な収益を得られるという不動産投資のメリットによるものです。

● かける時間がもったいない
資産運用には以下のような時間がかかります。

・投資商品の選定
・投資商品の売買
・投資用品の管理

まずは、投資商品を選定する必要があります。株であればどの銘柄を売買するか、FXであればどの為替を選択するかということです。しかし、そのためには、株式投資であれば企業業績の確認や、株価チャートのチェックが必要です。

FXであれば、各国の中央銀行の方針や、為替レートのチェックが必要です。また、売買するときにもネットなどから手続きが必要になります。

さらに、取得した投資商品を管理し続けなければいけません。株価動向や為替レートを逐一チェックし、必要であれば売買を行い、銘柄や為替種類の変更を行います。つまり、継続的に時間がかかり続けるということです。

● 本業に支障が出る
前項のように、継続的に時間がかかり続けるということは、本業の仕事に支障が出る可能性があります。たとえば、勤務中の時間でも株価が大きく変動すれば、ネットでログインして株の償却を行う必要があります。

一方、FXは株式投資よりも変動が早いです。そのため、逐一情報をキャッチして取引しないと、利益を生み出すのはなかなか難しいです。勤務中にこのような取引が必要になれば、本業に支障が出てしまいます。本業に支障が出れば、投資で利益を得るどころか、収益が減ってしまう場合もあります。

そうなれば、投資で利益を生み出すという目的が果たせないどころか、逆に損失を出してしまうかもしれません。

● 自力で行うことは難しい
また、いくら時間をかけて投資商品の調査・勉強をしても、自力で完全な知識を付けるのは難しいです。なぜなら、投資商品の多くは、色々な要素と組み合わせて価値が変動するからです。たとえば、株価であれば、以下のような要素です。

・ 企業業績
・ 企業の将来の期待
・ 業界の期待や将来性
・ 直近の株価チャート

そして、生命保険会社などをはじめとした機関投資家は、プロで編成されているチームなので、プロに自分の力だけで対抗するには限界があります。つまり、時間をかけて投資商品を選んだところで、利益を出すのは難しいということです。

各種投資の特徴やメリット・デメリット

不動産投資以外にも、事例として株式投資と投資信託の特徴、およびメリット・デメリットを解説します。上述した部分もありますが、改めて理解しておきましょう。

● 株式投資

メリット デメリット
・取引自体は楽 ・売買が早い ・銘柄選びが難しい ・銘柄選びに時間がかかる ・リスク要素が多い

先ほどあげたように、株式投資は銘柄選びが難しく、銘柄選びにも時間がかかります。その点は、株式投資の大きなデメリットです。また、株式投資は「企業業績」以外にも、「企業の不祥事」や「業界の将来性」による株価変動リスクもあります。

企業が不祥事を起こせば、たちまち株価は下がります。また、株価が下がれば、売りたい人が多くなるので、売りたい人の数を買いたい人の数が上回らない限りは、株を売却することはできません。

そして、株価は下がり続け、1週間で株価が半値になることもあります。つまり、株という資産が半減するリスクがあるということです。

一方、今はスマートホンで取引できるので、株の償却手続きをすること自体は楽です。また、上述したような、極端に需給バランスが崩れなていない限りは、一瞬で取引は完了します。その取引スピードの早さはメリットになります。

● 投資信託

メリット デメリット
・ 少額から投資がはじめられる ・ 運用のプロに任せられる ・ 分散投資できる ・ リスクは大きい ・ コストがかかる ・ 自分自身で投資商品は決められない ・ 投資スキルは上がらない

投資信託とは、投資のプロに株や債券などの運用を任せることです。投資会社や投資信託はさまざまな種類があり、リスクの高い商品もあれば低い商品もあります。ただし、投資信託の商品は株などで運用するので、先ほどの資産が半減するリスクはあります。

また、投資信託を取得すると、三つのコストがかかります。一つ目は、「販売買付手数料」といい、資産運用する投資会社に支払う手数料です。二つ目は、「ファンドの管理費用」と呼ばれる、投資信託の運用コストです。三つ目は、「信託財産留保額」といい、投資信託に途中換金するためのコストのことです。

一方、投資信託は100円単位の少額からはじめられる商品もあります。また、運用をプロに任せるのはメリットではありますが、投資商品は決められません。投資の方向性などは商品選びの段階で決められますが、自身で投資商品を細かく選ぶわけではないのです。

つまり、自身の投資スキルを上げることはできないということなので、投資スキルを上げられなければ、今後もプロに頼って投資をし続けるしかないということです。

不動産投資の特徴やメリット・デメリット

一方、不動産投資には株式投資や投資信託などとは異なるメリット・デメリット、および特徴を解説します。結論からいうと、特に仕事などで忙しい人にとって、不動産投資は最適な投資方法になります。

メリット デメリット
・ 安定して継続的に収益を上げやすい ・ 投資商品取得後の手間がかからない ・ レバレッジ効果がある ・ リスク分散する必要がない ・ 保険代わりになる ・ 多額の初期費用がかかることもある ・ 継続した経費がかかる ・ 空室リスクと家賃減額リスク ・ 確定申告の手間がかかる

● 不動産投資のメリット
不動産投資は、安定して継続的に収益を上げやすいといえます。なぜなら、不動産投資は賃借人がいる限り、賃料収入を得ることができるからです。つまり、空室や家賃下落という状態にならない限りは、安定して継続的に収益を上げることができます。

また、株式投資では1週間で資産が半減するリスクがありますが、不動産投資の場合はそこまでのリスクがない点もメリットといえます。

そして何よりも不動産は、取得した後に大きな手間がかかりません。基本的には管理会社に不動産運営は任せますし、株式投資などのように逐一何かをチェックする必要はありません。この点が、忙しい人に不動産投資が向いているという最も大きな理由です。

さらに、アパートローンを組むことで、少額の資産で高額の不動産を購入するというレバレッジ効果が得られます。また、空室率の低い部屋や家賃下落リスクを軽減できる物件選びをすれば、何種類も投資商品を増やす必要はありません。

また、株やFXなどのような「時間をかけて投資商品を選んだところで利益を生み出すのは難しい」投資商品に比べて、不動産投資は時間をかけて投資商品を選べば、「空室リスク」と「家賃下落リスク」は軽減されやすいです。

そして、不動産投資は物件を所有し続ける限り、賃料収入を得ることができます。たとえ給与収入がなくなった老後でも収益を得られるので、不動産投資は保険代わりにもなります。

● 不動産投資のデメリット
先ほどあげたように、アパートローンを組んで不動産投資するときには、アパートローンを組めなかったり、多額の初期費用が必要だったりします。不動産投資にはある程度初期費用が必要なときもあるということです。

また、不動産投資は、「アパートローン支払い額」「固定資産税」「管理費・修繕積立金」「賃借人退去時の補修費」など、物件を所有し続ける限り、継続して経費がかかります。

そして、先ほども少し触れましたが、不動産投資は空室リスクと家賃減額リスクという、二つのリスクがあります。空室になれば賃料収入は途絶えますし、家賃が減額すれば想定していた収益を上げられません。

さらに、不動産の賃料収入は不動産所得になるため、毎年確定申告をして納税する必要があります。確定申告書は経費計上するための領収書を保管したり、確定申告書の作成をしたりする必要があります。その作業を税理士に代行依頼できますが、その場合は数万~10万円程度の費用がかかります。

不動産投資は忙しい人に向いている

このように、不動産投資は安定して継続的な収益を得ることができるのです。また、不動産は一度取得すれば、管理は管理会社に任せます。そのため、忙しい人にとっての資産運用は、不動産投資という選択がベストといえるでしょう。

先ほど話したデメリットやリスクは、物件選びなどで解消することができます。確定申告も一度行えばそう難しいものではありません。その点からも、不動産投資はおすすめの資産運用方法です。

(提供: 不動産投資セミナー

【オススメ記事 不動産投資セミナー】
40代から考える退職金を活用した資産運用
2020年東京五輪に向けた不動産投資の戦略とは
マンション経営やアパート経営の始め方を解説!
ワンルーム投資の失敗から学ぶ成功への3つのポイント
どうやって始めるの? 不動産投資の買い方解説!