中国の2016年末の本土人口は13億8271万人である。人口は頭打ちでも、都市への人口集中は続いている。1000万都市は14になったとニュースサイト「今日頭条」が伝えた。中国の行政区画は、広域市の下に市があり、さらにその下に県や区があるという構成だ。したがってここでいう市とは、日本でいう都道府県に近いものである。以下その14市を見てみよう。

14位~11位 副省都以下の地方都市。

(写真=yichaoMA/Shutterstock.com)

ここは蘇州以外は、知名度のない中部の地方都市が並んでいる。しかし往年は中原と呼ばれ、古代文明の先進地帯だった。

第14位 南陽(河南省)

常住人口1006万8700人、GDP3118億元。河南省西南部、河南省面積最大。国家歴史名城に指定、中国文明の始源地。

第13位 保定(河北省)

常住人口1034万9000人、GDP3435億3000万元。河北省中部、太行山東麓、“京畿重地”と称され、北京首都圏の重要都市。

第12位 臨沂(山東省)

常住人口1124万人、GDP4026億7500万元。山東省南部、同省で最大の面積と人口。盲目の人権活動家・陳光誠を軟禁していたが、2012年大脱走を許す。

第11位 蘇州(江蘇省)

常住人口1062万5700人、GDP1兆5400億元。長江三角州中部。“呉越同舟”でおなじみの古代「呉国」。大運河は世界文化遺産。

【保存版】2019年、知らないと損する「お金のはなし」
相続対策に失敗した「元富裕層」の悲惨な末路

10位~6位 省都、副省都級都市

ここはバラエティーに富んでいるが、やはり広東省の2大都市が目立つ。

第10位 ハルピン(黒竜江省)

常住人口1066万5000人、GDP6101億6000万元。中国北部の交通、政治、経済、文化、金融の中心。かつては欧州大陸との架け橋。

第9位 武漢(湖北省)

常住人口1076万2000、GDP1兆1912億6100万人。九省に通じる交通の要衝。辛亥革命の端緒となるなど歴史的な意義を持つ。

第8位 石家庄(河北省)

常住人口1078万4600人、GDP5857億8000万元。“北方粮倉(北の食料貯蔵庫)”“新中国の揺籃”などと称される。

第7位 深セン(広東省)

常住人口1190万8400人 GDP1兆9492億6000万元。1979年改革開放政策最初の経済特区に指定。さびれた漁村が一代で1000万都市に。一人当たりGDPトップ。

第6位 広州(広東省)

常住人口1404万3500人 GDP1兆9610億9400万元。「北上広深」経済実力4強都市の1つ。古代からの貿易都市。

5位~1位 1位は北京上海ではなく、危険なあの都市

ここは成都以外は省と同格の中央直轄市である。

第5位 天津(直轄市)

常住人口1562万1200人 GDP1兆7885億3900万元。1402年築城とはっきり都市建設の記録が残る。北方国際海運の中心。

第4位 成都(四川省)

常住人口1591万8000人 GDP1兆2170億2300万元。ユネスコ「世界食の都」に登録。

第3位 北京(直轄市)

常住人口2172万9000人、GDP2兆4899億3000億元。人口増加率は0.1%、2015年末比2万4000人に止まるなど頭打ち。

第2位 上海(直轄市)

常住人口2419万7000人、GDP2兆7466億1500万元。長江デルタの“龍頭都市”全世界に名を馳せる金融センター。GDPではトップ。

第1位 重慶(直轄市)

常住人口3048万4300人、GDP1兆7558億7600万元。薄熙来、孫政才と2代続けて党書記(省のトップ)が失脚。現在党員にとって最も危険な都市という。

5位~1位はいずれも政局を左右する重量級の都市である。この中では成都の元気がよいと評判だ。たしかにいつまでも北京・上海では面白くない。三国志の蜀の国である成都と重慶から、新しい波が来ることを期待しておこう。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

【保存版】2019年、知らないと損する「お金のはなし」
相続対策に失敗した「元富裕層」の悲惨な末路

【関連記事】
中国の五大富豪の職業は何?4位は女性、1位は極貧からの不動産王
中国の富豪ランキング、10の視点から読み解く「中国の大金持ち」像
中国上場企業の給与トップ100調査、大学院卒はもはや出世に必須?
中国で学歴詐称した政治家やタレントが袋叩きにされない理由
アメリカ大統領たちの「中国政策」と日本の立ち位置