株主優待を選ぶ基準として最も基本的かつ人気のある方法が「利回りの高さ」で選ぶというものだ。多くの個人投資家が銘柄選定基準として、投資した金額に対してどれくらいのリターンがあるのかを測る基準として使用する。

そしてそれは配当でも優待でも同じだ。個人投資家が好む優待株といえば、マクドナルドや吉野家あたりが通常で、あまり有名ではない小さな企業の優待までは目が届かないのが普通だ。

あまり知られていないが、アクトコール <6064> という企業の株主優待を紹介しよう。ここではアクトコールの事業内容や最近の動向、業績などを振り返りつつ、株主優待内容の魅力に迫る。

アクトコールの事業内容

アクトコール,株主優待
(写真=PIXTA)

アクトコールは「暮らしを豊かにする」をテーマに、緊急駆けつけサービスやコールセンターサービス、不動産開発などを行っている。

具体的には水周りや鍵、電気などの暮らしに伴うトラブル解決、また不動産業界に特化したトラブル解決サービスを提供している。またコールセンターのインバウンド・アウトバウンドなど企業のコールセンターの品質向上のためのサービスを提供している。24時間365日駆けつけ対応可能なネットワークを売りに事業を拡大している。

業績は不安定ながらも上昇基調へと転換か?

ここで過去3期(14〜16年)の実績と今期(17年)の会社予想を確認する。

14年11月:売上高28億1500万円 純利益▲100万円
15年11月:売上高35億8300万円 純利益2億1200万円
16年11月:売上高40億6100万円 純利益1億4300万円
17年11月:売上高43億2000万円 純利益2億5400万円

14年には最終利益で赤字へと落ち込んでいたものの、その後盛り返し、ここ数年は売上高が順調に伸びていることがわかる。

ちなみに株価は17日終値時点で1039円となっている。一株利益予想が32.5円であるので割安指標の代表である予想PERは31.43倍と少々割高な水準であると言える(業種によるが、一般にPERは15倍以下が割安)。

しかし、17年6月30日に発表された第二四半期決算によると、営業利益と経常利益の進捗が大幅に上振れしたようだ。理由としては住生活総合アウトソーシングや決済ソリューションサービスが好調だったことや販管費の抑制が挙げられている。

現在の株価上昇は、話題性や株主優待、株式分割などの需給的な側面からのものであると筆者はみているが、今後は業績がさらに上昇基調となってくれることを期待したい。

AIなど話題性のあるテーマ株としても注目

先ほど、話題性による上昇であると指摘したが、アクトコールは最近ではフィンテックやAI(人工知能)分野への事業も行っている。

2017年2月にはAI(人工知能)研究を行う企業と提携して、コールセンターでの自動応答対応を今年の春から順次、実施し始めている。

また昨年にはアクトコールの決済ソリューション部門であるインサイトがグローバル決済のリーディングカンパニーとの協業を発表、フィンテック部門強化を狙うという。

これを受けて、話題性の面でもアクトコールの株価は押し上げられることとなったのだが、実はアクトコール株価の上昇にはこれ以外にも理由がありそうだ。

それが次の株主優待の魅力である。

アクトコールの株主優待の魅力

アクトコールの株主優待は少々ユニークである。ホームページによるとアクトコールの優待は以下のように表示されている。

・100株保有で2000円相当の優待食事券、もしくは1000円相当のクオカード
・200株保有で8000円相当の優待食事券、もしくは4000円相当のクオカード

現在の株価が1039円のため、100保有で食事券(2000円相当)を貰うとすると優待利回りが約2%だが、200株保有すると食事券(8000円相当)で優待利回りが約4%と2倍になる。この食事券は、同社関連会社の「HitoBito Inc.」が運営するカフェ『パンとエスプレッソと』をはじめとした取扱店舗にて使用が可能。HPにて対象店舗が記載されているのでご確認頂きたい。

アクトコール 株主優待について
https://www.actcall.jp/ir/preferential.html

株主優待株は徹底的に探すのが吉

アクトコールに限らず、利回りが高い銘柄や使い勝手の良い銘柄はあまり有名でない企業の株に多い。

企業の数が多い為、一つ一つ調べるのは大変だが、同じような内容の優待でも必要投資金額が全く異なることもよくある話のため、調べた上で購入することをお勧めしたい。

また、あまりにも投資家にとってお得度の高い優待は、企業にとっても負担になるので「改悪」され内容が変更となってしまうこともあることを知っておくべきだろう。そのためにも優待を選ぶ際には、利回りのみならず業績を見ることが重要なのだ。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。著書に「超優待投資・草食編」がある

【お詫びと訂正】 掲載当初、タイトルが『保有株数を「2倍」にするだけで「優待利回り4倍」の不思議な銘柄』となっておりましたが、優待利回りは2倍の誤りでした。これにともない、タイトル、一部文章表現を変更、追加しております。読者、関係者の皆様には、適切な確認がなされないままの記事を公開したことをお詫びいたします。

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