韓国で2番目に開業したインターネット専用銀行カカオバンクは、サービスを開始した2017年7月27日から5日間の新規口座開設が100万件に達し、3週間で200万口座を突破した。

同年4月にサービスを開始した韓国初のインターネット専用銀行ケイバンクが記録した1カ月25万口座を上回るかどうかが注目されていたが、はるかにしのぐ勢いで、既存の主要銀行に緊張が広がっている。

デビットカードに相当するチェックカードは発行数が150万枚を超え、発行総数85万枚のサムスンカードや18万枚の現代カードなど既存のカード会社を上回った。カカオバンクのカード発行を引き受けたKB国民銀行のシステムは限界に達しており、発行がスムーズになれば200万枚突破は時間の問題と関係者は見ている。

安い手数料と利便性が強み

韓国経済,カカオ,銀行,ネットバンク
(画像=Webサイトより)

カカオバンクのチェックカード利用者は、セブン-イレブンに設置されているATMを手数料無料で利用できる。カカオバンクと業務協約を結んだロッテグループ傘下のセブン-イレブンに設置されているATMは4000台で、全国のコンビニに設置されているATMの90%に相当する。カカオバンク利用者が集中したセブン-イレブンは商品購入など店舗の売上げ増にも繋がっているという。

海外送金サービスもカカオバンクの強みだ。送金手数料は5000ドルまで5000ウォン、5000ドルを超える送金は1万ウォンと市中銀行の10%の水準で、週末や休日にも利用できる。サービスは提携先であるシティグループのワールドリンク網に含まれる22カ国に限られるが、対抗するウリィ銀行は12月までインターネットバンキングとモバイルバンキングの海外送金手数料を、従来と比べて76%低い2500ウォンに引き下げ、KEBハナ銀行も500ドルまで5000ウォン、500ドル以上は7000ウォンとするなど手数料の大幅な引き下げを発表した。

カカオトークのアドレス登録者にSNSメッセージを利用して送金できる簡便送金サービスも注目を集めている。

4000万人以上が利用するSNS

2010年にサービスを開始したソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)カカオトークは、韓国内の利用者が4000万人を超え、個人間の情報伝達はもとより、郵便局の配達通知など広範囲に利用されている。2014年8月からサービスを開始したタクシー配車サービスのカカオタクシーは、ぼったくりや乗車拒否がない安心して利用できるサービスとして定着している。

仕事の打合せ等、業務で日常的に利用している人も多い。野党国民の党は勤務時間外のカカオトークなどSNSを利用した業務指示を制限する法案を提出したが、政府や雇用労働部も同様の利用制限を検討していると明らかにした。

カカオバンクは新たなサービスも提供する。2018年上期をめどに決済代理店やカード会社を経由することなく販売者に代金を直接送金する「アプリツーアプリ」決済を導入し、加盟店が負担する手数料も引き下げる計画だ。既存のカード会社は海外進出やモバイル決済の強化など新たな収益源を模索しはじめた。

韓国金融大手ハナ金融グループ傘下のハナカードは、2017年5月、「WechatPay(ウィーチャットペイ、微信支付)」の日本での決済を代行するハナカード・ペイメントを東京都千代田区に設立した。ウィーチャットは中国IT大手・騰訊(テンセント)が提供するモバイル決済サービスで、中国内の利用者は6億人。サービス対象は年間600万人の訪日中国人だが、ハナカードにとってはじめての海外進出だ。

インターネットバンキングの誕生で、モバイルバンキングに精通している20代から40代が大挙してケイバンクに移行した。圧倒的な利用者を擁するカカオトークを背景にしたカカオバンクの誕生で、個人客の移行はさらに加速するだろう。(佐々木和義、韓国在住CFP)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)