2015年からマクラーレンへのエンジンサプライヤーとして参戦した、ホンダのF1チャレンジが苦戦している。自動車評論家の国沢光宏氏は10日夕、自身のブログやYahoo!個人で「来シーズン、ホンダはトロロッソと組んでF1に参戦することが大筋で決まった模様」と報じた。

世界チャンピオンドライバーを抱えるF1のトップチームとタッグを組んだにも関わらず、いまだに勝利できず入賞すら難しい状況だ。ホンダのF1チャレンジはどうなってしまうのだろうか。

F1参戦はホンダのチャレンジングスピリットの象徴

McLaren-Honda 「MCL32」
McLaren-Honda 「MCL32」(画像=HONDA Webサイトより)

ホンダがF1に初参戦したのは1964年。オートバイでは成功していたものの、自動車メーカーとしては前年に軽トラックを発売したばかりだった。 レースカーどころか普通自動車の製造経験がないにも関わらず、車体とエンジンを自社製造するフルコンストラクターで参戦し、翌1965年のシーズン最終戦で念願の初優勝を果たす。

1967年はコンストラクターズ4位、1968年の不幸な事故をきっかけとして撤退するまでチャレンジは続けられる。「レースは走る実験室」という創業者・故本田宗一郎氏の言葉通り、厳しいレースを通じて技術開発を進め、市販車にも反映させていくのがホンダのクルマ開発のスピリットとなった。

「F1のホンダ」を印象付けた第2期参戦

1983年にホンダは、F1にカムバックする。エンジン供給に徹しマクラーレン、ウィリアムズ、ロータス、ティレル、スピリットなどとパートナーを組み、10年間で69勝をおさめ最強エンジンの名を独占した。

1991年の撤退まで、ホンダエンジン搭載車がコンストラクタータイトルを6回、ドライバータイトルは5回獲得し黄金時代を築く。特に1988年のマクラーレン・ホンダは、アイルトン・セナとアラン・プロストのドライバーで16戦中15勝と圧倒的な成績を残し、国内のF1ブームもあり「F1のホンダ」を強く印象づける。

車載センサーからリアルタイムでデータを収集し解析する「テレメトリシステム」など数多くの斬新なアイデアを持ち込み、F1界を大きく変えたのもホンダだった。

第3期参戦は車体開発に翻弄される

3回目のチャレンジは、2000年に新興チームB・A・Rへのエンジン供給とシャシー共同開発という形で再開された。当初は第1期と同じく車体開発も含めたフルコンストラクターでの参戦を計画していたが、「純ホンダ」での参戦は2006年まで待つことになる。

当時参戦していたチームの中で最大の投資を行いながらも、エアロダイナミクスが重要となった車体開発に手間取り、パフォーマンスを上げられなかった。 9年間の参戦で優勝は2006年のカナダGPの1回のみ、コンストラクタータイトルも4位が最高と結果は惨敗である。結局リーマンショックによる販売不振を理由に2008年シーズンを最後に撤退、売却したチームが後にメルセデスベンツとなり大活躍しているのは皮肉な話だ。

「マクラーレン・ホンダ」復活も大苦戦、トロ・ロッソホンダ誕生?

1.6リッターターボエンジンへ変更された2015年に、ホンダはエンジンサプライヤーとしてF1に戻ってきた。黄金期を築いたマクラーレンをパートナーとして、パワーユニットの独占供給を行う体制を整えたが、3シーズン目の今年も10チーム中9位と低迷している。

ターボやエネルギー回生システム(ERS)などの開発でライバルに遅れ、パワーと信頼性を確保できず入賞すらできない。 マクラーレンのようなトップチームが3年も下位に甘んじるのは異常事態で、チャンピオンドライバーのアロンソからも愛想をつかされた。業を煮やしたマクラーレン側はホンダとの関係を解消し、来シーズンのルノーエンジン獲得に向け画策中だ。

ルノーのエンジン供給にも上限があることから、ルノーを使用するトロ・ロッソがホンダへスイッチし、手放したルノーエンジンをマクラーレンが取得する交渉が3者で進んでいる。ホンダはマクラーレンとの継続を望んでいるが、すでにマクラーレン側の信頼は失っており継続したとしても関係が改善するかは疑問だ。

マクラーレン側の期待に応えられず実績を出せなかったホンダが自ら招いた状況ではあるが、やはりレースは勝たなければ意味がない。来シーズンがどうなろうとも、ホンダは早急に「勝てるパワーユニット」で答えを出すしかなさそうだ。(ZUU online編集部)

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