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今後の資金の使い道にも注目

金持ち企業ランキング 前回1位のファナックが首位を明け渡した企業は?

与信管理サービスを手掛けるリスクモンスター <3768> はキャッシュリッチな企業をランク付けする「金持ち企業ランキング」の結果を9月11日に公表した。調査は5回目となるが、これまで4年連続で首位に立っていたファナック <6954> が3位に転落している。ファナックに代わり、首位に立ったのはどの企業であろうか。

金持ち企業ランキング上位10社は?

企業,金持ち
(写真=PIXTA)

調査は金融機関とIFRS適用企業を除いた決算短信提出企業2879社を対象に行われ、2017年7月24日時点で開示されていた2016年4月期以降の最新決算に基づいている。現預金から短期・長期借入金、社債、割引手形等の債務を差し引いた「NetCash」の金額を算出し、ランク付けを行った。

今回調査での金持ち企業上位10社は次のようになっている。

順位(前回順位) 企業名 NetCash(前回からの変動額) 営業キャッシュフロー
1位(3位) 信越化学工業 <4063>  7383億円(1545億円) 2908億円
2位(4位) 任天堂 <7974>  6627億円(923億円) 191億円
3位(1位) ファナック <6954>  6297億円(-569億円) 1217億円
4位(5位) 三菱自動車工業 <7211>  5412億円(1150億円) -458億円
5位(9位) SUBARU <7270>  5105億円(1730億円) 3454億円
6位(6位) SMC <6273>  4428億円(794億円) 1209億円
7位(15位) キーエンス <6861>  4169億円(2186億円) 1216億円
8位(8位) 京セラ <6971>  3513億円(101億円) 1642億円
9位(13位) 富士フィルムホールディングス <4901>  3211億円(859億円) 2886億円
10位(19位) 三菱電機 <6503>  3103億円(1402億円) 3659億円

首位に立ったのは信越化学工業 前回2位のキヤノンは大幅ランクダウン

首位に立ったのは信越化学工業 <4063> となり、前回調査から2ランクアップとなった。同社は2017年3月期連結決算で純利益が過去最高となり、7期連続の最終増益も達成する等、業績が光る。4年連続で1000億円以上のNetCashを積み上げており、今回ついに首位に躍り出た。

2位は任天堂 <7974> である。2017年3月期連結決算は営業減益となり、営業キャッシュフローも191億円と前年同期より数字を落としたが、米大リーグ・シアトルマリナーズの運営会社の持分売却等により、現預金が大きく増加した。今後は「Nintendo Switch」効果によって、営業キャッシュフローを高めていけるかに注目が集まる。

3位となったのが、これまで4年連続首位であったファナック <6954> だ。2015年3月期から株主還元を積極的に行う方針に転換した事に加え、栃木県に新工場を建設するなど設備投資も増え、2年連続のNetCash減少となった。

前年15位から7位にランクアップしたキーエンス <6861> 、同様に19位から10位にランクアップ三菱電機 <6503> 等、好業績を背景にNetCashを積み増す企業も見受けられる。

また、トップ10圏外ではあるが、前年2582位から14位までランクアップしたスズキ <7269> も注目すべき企業である。同社は2017年3月期連結決算で過去最高益を叩き出すなど本業が好調で、実に3663億円もの営業キャッシュフローを記録した。更にSUBARU株の売却による現預金の増加もあり、大幅なランクアップとなった。

一方で、前年2位のキヤノン <7751> はNetCashを前年から6150億円も減少させ、332位にまでランクダウンしている。2016年12月に東芝メディカルシステムズを6655億円で買収した事に伴う有利子負債の増加が原因となる。

投資家の目は資金の使い道に

今回のランキングで上位に入った企業は、金持ち企業と呼ぶにふさわしい企業である。多額のNetCashを有し、財務基盤は非常に強固な物であると言える。しかし、資金の使い方に株主から厳しい目が向けられている事も事実である。前回調査で1位のファナックと2位のキヤノンが今回大きくNetCashを減少させている事は注目に値する。ファナックは株主還元や設備投資に、キヤノンは成長の為の買収に資金を活用したが、これらは株主からの資金活用の要求に応えた側面も大きいだろう。

トヨタ自動車 <7203> は3兆4142億円、日本電信電話 <9432> は2兆9173兆円と多額の営業キャッシュフローを誇る企業がランキング上位に入っていないのは、これらの企業が稼いだ資金を成長投資や株主還元に積極的に回しているからである。

近年は株主が自己資本利益率であるROEの上昇を要求するケースも増えている。株主資本に対する利益効率を重視する経営を求められており、余剰資金は利益を生む為の投資に回すか、株主資本を下げる自社株買いを行うべきであるという考え方はスタンダードとなりつつある。

NetCashが多い企業はもちろん優良企業である事に変わりは無く、投資家の注目を集める存在である。しかし、投資家の関心はその資金の使い道であり、金持ち企業であろうと資金を活用した成長戦略を描けなければ、市場での評価は高まらない可能性もある。(ZUU online編集部)

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