衆議院の解散総選挙のニュースが伝えられてから、日経平均株価225種(以下日経平均株価)をはじめとした株価指数の上昇が著しい。北朝鮮問題や米国のハリケーンなど世界経済へ悪影響を与えそうな要素が多かった中での思わぬ好材料に株式市場も素直に好反応を示しているようだ。

今回の総選挙により自民党は再び議席確保を維持し政局を有利に進めていきたい方針だ。ここでは衆議院解散に絡み、株高になる原因を解説していく。

好感の理由 自民党への純粋な期待の高さの表れ

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(写真=PIXTA)

自民党の支持率が3ヶ月ぶりに不支持を上回ったというニュースが伝えられた。

2017年の夏には一時内閣への支持率は落ち込みを見せ、不支持が支持を上回っていたことを考えるとここに来て再び自民党への期待が高まっていることを示している。

支持率乱高下の背景には与党と野党、両党での政治以外のスキャンダルなども影響を与えたことだろうが、結局のところ安倍首相とトランプ大統領との信頼関係の堅さなども評価されているのではなかろうか。

先日の国連演説でトランプ大統領が拉致被害者に言及するなど、日本の立ち位置が世界的にも高まりを見せているのは現在の安倍政権の手腕の高さの成果と見ることもできる。

このタイミングでの解散総選挙は自民党にとっては追い風が吹く中で実行されることが予想される。

その点、総選挙で再び自民党が新体制を作ることは海外投資家はじめとする多くの投資家に好評価をされており連日の株価上昇につながっているということなのだ。

上げが加速する理由(1) 好材料発表による買い戻しの加速

日経平均株価は、日経平均先物という金融商品の影響を大きく受ける。企業業績に関係なく株価が乱高下する要因は、この日経平均先物に要因がある場面が多い。詳しく知りたい方は「先物主導で売られる(買われる)」で調べて頂きたい。

日経平均先物は日経平均株価の将来の動きを反映するもので、日経平均株価を構成する様々な銘柄(ファーストリテイリング、ファナック、ソフトバンクなど)と関連性がある。一般的には日経平均先物は将来に不安があると売られ、期待があると買われるという特徴を持っている。

北朝鮮問題(地政学的リスク)で不安定な政情の中、8月半ばから9月初旬にかけて日経平均株価が下落の一途をたどっていたことを考えると、日経平均先物の売りが相当溜まっていたことが予想される。この下落は企業業績によるものでなく、地政学的リスクによるものだと考えられる。

今回の好材料によりそういった日経平均先物の売り建てによる買い戻しも加速していると考えられる。企業業績は依然として好調を維持する中、今後は先物を主導に日経平均株価の上昇も加速していく可能性も高まったと言える。

上げが加速する理由(2) 世界経済的にリスクオンの流れで株高円安へ

総選挙の知らせを受けて、為替も円安へと傾いている。日本には輸出関連の企業が多く、そういった企業は円安によって業績への好影響を受ける。そのため、日本全体の株価指数である日経平均株価も上昇するという好循環が生まれる。

またこれまで北朝鮮問題に絡んでリスクを取らない方向へと世界経済が進んでいた。そのため安全資産とされる円が買われて円高が進んでいたが、現在その巻き戻しも進んでいるようだ。今後は円安・株高を前提としたリスクオフの流れが形成されることが予想される。

上げが加速する理由(3) 解散総選挙アノマリー、信じていい?

解散総選挙があると株価が上がるというアノマリー(株価の動きの傾向)がある。他メディアでもこぞってこのアノマリーを伝えているところを見ると、非常に有名なアノマリーと言える。

実際に過去の総選挙では日経平均株価は上昇する傾向があったようだ。今回の株価上昇も過去の記憶が投資家の株買いの後押しとなったとみてよいだろう。

ただ、アノマリーはあくまで傾向なので、予想が外れた時はアノマリーを信じて行動する投資家が多い分、反動も大きいことはわすれてはならない。

今後は過去高値「2万952円71円銭」を射程に一進一退の攻防

筆者が言及している最中にも日経平均株価の上昇はとどまるところを知らずに推移している(9月21日12:00現在 株価20479.88円)。

トランプ相場後の2017年6月につけた20318.11円を取引時間中に突破し、ついに2015年6月の高値20952.71円が見えてきた。自民党が前予想通り大勝するとなると長期政権への期待がますます高まり、ついに日経平均株価30000円のシナリオが現実のものとなるかもしれない。

北朝鮮リスクなども未だ存在するものの、日本の株式市場への今後に期待せずにはいられない。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。著書に「超優待投資・草食編」がある。

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