韓国最大のショッピング観光イベント「コリアセールフェスタ」が2017年9月28日からはじまった。期間は10月31日までで、内需拡大と観光活性化を目的に実施する政府主導のバーゲンセールだ。

政府主導のセールは、2015年に米国のブラックフライデーを参考に行われているものだが、企業の自発的な参加で大規模なセールイベントが定着した米国と異なり、韓国政府の「業績づくり」的なイベントに対する消費者の反応は鈍い。

米国をベンチマーキングした政府主導のセール

韓国経済,ブラックフライデー,小売業界
(画像=Webサイトより)

小売店やメーカーに加え、エンターテインメント、宿泊、外食などのサービス業も加わり、セールに参加する企業は400社に上るとみられている。

訪韓外国人向けに英語、日本語、中国語に加え、ベトナム語、インドネシア語で広報資料を作成し、インターネットショッピングモールで海外販売も行っている。

米国では感謝祭(11月第4木曜日)翌日の金曜日から本格的なクリスマス商戦に入るが、初日となる金曜日の売り上げが大きく、多くの小売店が黒字になるといわれている。韓国でもこの時期に合わせて米国から商品を個人輸入する人は多い。

消費が落ち込んだ2014年11月、個人輸入に目を向ける顧客を取り戻すため、現代百貨店がセールを企画し、同店にテナントで入っているショップがロードサイドなど他店舗でも「ブラックフライデーセール」を行った。

翌2015年には韓国政府が、中国で国慶節の大型連休となる10月初旬に大規模な「コリアブラックフライデー」を主導した。外国人旅行者を対象にしたセールは以前からあったが、コリアブラックフライデーは内国人も対象とし、ロッテ百貨店や大型スーパー(398店舗)、伝統市場(200店舗)、コンビニ(1万5400店舗)に加え、Gマーケット、オークション、インターパークといった大手インターネットショッピングが参加している。

翌2016年、産業通商資源部は米国の「ブラックフライデー」と中国の「光棍節」などをベンチマーキングして規模を拡大したコリアセールフェスタを実施した。韓国観光公社や大韓貿易投資振興公社(KOTRA)といった訪韓誘客や貿易を支援する組織に加え、大韓商工会議所、韓国チェーンストア協会、全国商人連合会なども参加し、文字通り官民挙げての一大セールとなった。