インドは年間1000本以上の映画が制作されているという映画大国。これはハリウッド映画の倍以上の数字にあたる。公開された作品は国内だけでなく、海外での上映も増えているようだ。

そのエキゾチックな国風と目新しさ、適度な緩さと前向きな姿勢が他国から注目を浴びており、最近は合作も増えてきた印象を受ける。そんなボリウッドだが、果たして日本では成功するのだろうか?

日本でもボリウッドブームが起きていた

映画,インド
(写真=Marco Saroldi/Shutterstock.com)

1997年に『カーマ・スートラ』、『ラジュー出世する』が日本で公開されるとインドブームが到来。1998年、本国に3年遅れで単館上映された『ムトゥ 踊るマハラジャ』はボリウッドとしては異例の入場者数を記録した。

ボリウッドブームの流れに乗ったテレビ番組が主体となり、タレント南原清隆さん主演で全編インドロケの『ナトゥ・踊る! ニンジャ伝説』が制作されるまでになった。

1998年には「インド映画祭」が開かれ、日本に根付いたかと思われたインド映画だったが、2000年頃には人気に陰りが見え始め、以降はめったに話題になることもなかった。

世界に注目されるインド

2009年、ダニー・ボイル監督の『スラムドッグ$ミリオネア』が公開された。インドのムンバイにあるスラムで生まれ育ち、そこで得た知識でクイズ番組を勝ち進む青年を描いたイギリス映画で、いくつもの賞を受賞すると日本でも再びインドが注目されるようになった。

世界に目を向ければボリウッド人気は高く、ハリウッドでもインドを舞台にした作品は多く作られていたが、『スラムドッグ』以降はインドへの愛は顕著だ。

2011年には、インドの高齢者向け高級リゾートホテルという触れ込みのボロ宿を舞台に、大御所俳優らと『スラムドッグ$ミリオネア』で主演を勤めたデヴ・パテルのハートフルドラマ、『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』が公開。イギリス、アメリカ、アラブ首長国連邦の合作で、大ヒットとは言えないが2015年には続編にあたる『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』が公開されている。

2012年には、トラと共に漂流するインド人青年を描いた『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』をアメリカが制作。

2016年には、その年のアカデミー賞をはじめ数々の名誉ある賞にノミネートされた『Lion/ライオン~25年目のただいま~』をオーストラリア、アメリカ、イギリスが合作した。本作は5歳で親とはぐれてしまったインド人の少年がオーストラリア人夫婦の養子となり、25年後にGoogleアースを使って生みの親に会いに行った実話を元に映画化されており、大きな話題をよんだ。

インドを舞台にしなくとも、インドを代表するヨガや、ステレオタイプなインド人エンジニアが映画に盛り込まれることがある。例えばディズニーの『ズートピア』では、物語の鍵を握る人物がヨガを教えており、ニール・ブロムカンプ監督の『チャッピー』では、AI搭載警察ロボットの開発者がインド系エンジニアだ。

進化し続けるボリウッド、合作にも意欲的

2009年以降、ボリウッドの映画は短尺傾向にある。もちろん長丁場作品も健在だが、最近では2時間を切るものも少なくない。また、歌と踊りが満載でカラフルな作品だけでなく、ハリウッドに負けず劣らず、シリアスで内容の濃いものも多い。海外ロケが当たり前となり、全編海外ロケん作品も珍しくない。国内にVFXスタジオが増えたこともあり、VFXを多用した大作もある。ボリウッド=『ムトゥ』のイメージしかない人にとっては驚きだろう。

他国が共同でインドを舞台にした映画を作る中、インドも合作には意欲的だ。日本では今年12月22日に公開だが、『カンフー・ヨガ』はジャッキー・チェン主演の中国インド合作で、中国のカンフーとインドのヨガをミックスさせた冒険活劇だ。

日本も例外ではない。日印友好交流年にあたり、松竹とインドのウィンドー・シート・フィルムズがタッグを組む。タイトルは『ラブ・イン・トーキョー』で、インド人男性と日本人女性のラブストーリーになるらしく、撮影は年内開始だという。

日本で再びボリウッドブームは起きるのか?

ボリウッドに関して言えば、日本は世界から随分と遅れをとっている。しかし、ここ数年は日本にもハリウッド映画を通してインド文化が多くはいってきており、受け入れる基盤ができていると考えられる。オンライン配信サイトNetflixでは話題のボリウッドが楽しめる。その面白さは口コミで広まり、新作を求める声もあがっている。

今年は日印友好に力を入れている。ジャッキー・チェンがアクション引退を表明したことから、残り少ないジャッキーのアクションを楽しめる『カンフー・ヨガ』にも集客が予想される。

『ムトゥ』で作り上げられたボリウッドのステレオタイプを捨て、今の娯楽性の高さを維持しつつ洗練されたインド映画を日本で再び花開かせるのは、今がチャンスなのかもしれない。(中川真知子、フリーライター)

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