整形手術や皮膚治療など美容整形を目的に韓国を訪問した外国人の数は、2016年で9万5221人。これは韓国保健福祉部のデータによるもので、診療費は2699億ウォン(約260億円)。訪韓外国人の医療費全体の31.4%が美容整形だった。国籍別では中国人が2万7646人と57.5%を占め、日本(5.7%)、米国(5.0%)が続いている。

訪韓美容整形で最大顧客の中国人が激減した美容整形外科病院は、大型連休に韓国人の取り込み合戦を繰り広げた。最大10日間の大型連休となった2017年の旧盆にあたる秋夕(10月3日火曜日から10月5日木曜まで)、美容整形外科は特需となった。広告競争を繰り広げ、割引クーポンを発行した病院もある。

連日休みなしで手術した医師も

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美容整形外科病院が集まったソウル江南区 狎鴎亭(写真=筆者、2017年10月撮影)

一般に術後7日から10日で抜糸を行うが、大型連休の前半に手術を受けると腫れがひくまで会社を休む必要がない。会社員の利用が増え、顔のしわやたるみ取る手術を親にプレゼントする「親孝行整形」も少なくなかった。予約が通常の2倍に達した病院もあり、朝10時半から深夜0時まで休みなしで手術を行った整形外科医もいたという。

韓国の美容整形は見た目などを重視する見栄が背景にあるのだろう。各種証明書用の写真も普通に加工が行われている。中国人の激減で廃業が危惧される美容整形外科は、韓国人の需要に望みをつないでいる。

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