「“あなたに合う”が、きっとある」をキャッチコピーに、東京ディズニーリゾートがキャストの募集をしている。いわゆるアルバイトの募集だ。東京ディズニーリゾートではアルバイトが従業員の約8割にあたるという。夢の国での仕事内容や時給はどんな職種だろうか。

時間帯による時給の違い

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(写真=ParrySuwanitch/Shutterstock.com)

給与体系は同じ職種であっても、時間帯によって異なる。東京ディズニーリゾートの仕事は、開園前時間を含むオープンキャスト、8時~18時の時間帯(ミドルキャスト)、閉園後時間を含むクローズキャストに大きく分けられる。どのキャストも、時間帯だけを比べた場合、22時~1時が最も高い時給に設定されている。

例えば、さまざまなアトラクションの運営、ゲストのご案内と誘導をする「アトラクションキャスト」。8時~19時の時給が1000円となっている。7時~8時と19時~22時が1200円、1時~7時が1450円、22時~1時が1550円だ。いずれのキャストも8時~19時が基本とされ、他は時間帯による手当が加算されているという認識でいいだろう。

これ以降、例に挙げるキャストの時給は8時~19時に留めておく。

キャストの時給を比較 もっとも高いキャストは?

ディズニーランドに限らず、巨大な規模のテーマパークでは表の顔と裏の顔(裏方)がある。まずは、入場した際に目立つ、表の顔を浮かべてほしい。園内に大勢のスタッフ(キャスト)がいることに気づくはずだ。

「アトラクションキャスト」と同じく時給1000円なのが、ショーやパレードが行われる場所での誘導や、お客さんと一緒に振り付けや手拍子の練習をしている「ゲストコントロールキャスト」だ。

他にも、東京ディズニーランドや東京ディズニーシーのエントランス(入口)の案内をする「ワールドバザールキャスト」、ディズニーキャラクターやショーに出演する人を誘導したり、パレードの盛り上げ役を担っている「ショーキャスト」、ショップでさまざまなグッズを販売している「マーチャンダイズキャスト」などが時給1000円である。

東京ディズニーリゾートの案内や紹介をしている「ガイドツアーキャスト」の時給は1050円だ。パーク内で、お客さんと一緒に歩いていたりするので、利用した方も多いだろう。園内の清掃だけではなく写真撮影までしてくれる「カストーディアルキャスト」も同じ時給だ。

レストランでオーダーの受付や料理の提供をする「フードサービスキャスト」の時給は1100円。同じくレストランで、調理や盛付け、洗い物などのキッチンで仕事をしている「カリナリーキャスト」は1150円である。また、食事の際にワインを提供する「ソムリエキャスト」になると1350円と時給が上がる。専門職で給与が高くなるのは東京ディズニーリゾートでも同様である。

怪我をしたり体の調子が悪くなったりしたとき、お世話になる「ナースキャスト」も専門職だ。もちろん、応募資格として正看護師免許が必要である。これがもっとも高い時給で、1450円に設定されている。

東京ディズニーリゾートでは、裏方としても多くの人が勤務している。表の顔を広い意味で接客業とするならば、裏の顔は非接客業だ。一部を例として挙げてみよう。

事務全般を行う「クラークキャスト」。時給は1000円だ。チケットや売上金の管理に携わる「テラーキャスト」も同じく1000円である。専門職では、コスチュームなどの制作をする「ワークルームキャスト」や、さまざまなお店の商品ディスプレイをデザインする「ファシリティキャスト」は1100円だ。どちらも応募には条件がある。

応募に特別なスキルや資格が必要?

応募に際して、東京ディズニーランドや東京ディズニーシーに関しての予備知識がなくても問題ない。

ただし、契約後は原則として2カ月間のトレーニング期間が定められ、この期間中の時給900円となっている。高校生(18才以下は時給880円以上、トレーニング期間中は870円以上)や主婦なども、条件を満たせばOKであると明記されている。また、一部のキャスト(専門職など)を除いて、特別なスキルや資格は必要ない。窓口は広いようだ。(吉川敦、フリーライター)