中国の大手上場証券会社10社の9月業績が公表された。8月比では大幅に改善している。株式相場の上げ潮に支えられているのは間違いない。経済ニュースサイト「界面」が詳しい分析を載せている。最近の中国証券業界を見通して見よう。

再び株式ブーム?

中国経済,証券業,界面
(写真=Oranzy Photography/Shutterstock.com)

中国では、IPO(新規公開株)の抽選や株式の売買に関する話題が再び熱気を帯びてきた。抽選に当たった筆者の知人は手放しの喜びようだった。ひどい目にあった経験がありながら、今回は値上がりを確信している。2015年の大相場には程遠いとはいえ、株式市場人々の口端ののぼるケースは明らかに以前より増えている。証券会社の直近の業績は、それを裏書きする内容だった。

データによると、上場証券大手10社の9月営業収入は、48億3800万元。前月の8月に比べ39%と大幅な伸びだった。純利益は19億2300万元、こちらも前月比36%伸びている。大手3社と大きく伸ばした会社、マイナスとなった会社を見てみよう(1元=17.03円)。

順位 社名/9月営業収入 前月比/9月純利益/前月比

1位 申万宏源証券/11億6700万元 66%/5億4000万元 53%
2位 中国銀河証券/9億4200万元  3%/3億6500万元 -5%
3位 東方証券/6億5500万元 65%/2億5400万元 37%

6位 西部証券/3億5700万元 119%/1億4600万元 232%
10位 第一創業証券/1億6400万元 89%/6300万元 215%

4位 安信証券/4億6300万元 -5%/1億7700万元 -1%
9位 国海証券/2億0000万元  3%/5200万元 -10%

年初からは約16%の上昇

9月の上海深セン300指数は3837ポイントで、前月比0.38%の上昇、年初からの上昇幅は15.90%である。新興企業の「創業板指数」は1867ポイントで、前月比0.95%上昇、年初からは4.85%の上昇だった。

同指数は7月中旬に1700ポイントを割り込み、市場創設以来の最低に落ち込んでいた。そこから考えるとここ2カ月で10%以上の上昇である。

この結果、第1~第3四半期までの累計で、10億元以上の純利益を上げたのは4社となった。現代中国版の四大証券「10億クラブ」は以下のとおりだ(累計営業収入/累計純利益)。

中国銀河証券 76億5100万元/29億7600万元
申万宏源証券 68億4300万元/29億600万元
安信証券 42億5800万元/16億4900万元
東方証券 40億8900万元/18億5000万元

流動性は増し視界良好だが懸念は党大会?

直近に発行された「証券行業研究報告」によれば、人民銀行(中央銀行)の金融緩和(預金準備率引き下げ)の影響もあり国慶節後には流動性が改善される。A株市場(上海、深セン)の取引活発化は継続して“修復”いくだろう。

そして証券会社は10月も15%の純利益増加を期待しているという。修復という言葉の意味は、A株の累計出来高は84兆8000万元、まだ前年同期比11%のマイナスで、回復途上にあるからだ。また手数料率も3.4%と少し低下した。

しかし8月以降は、回復が目覚ましく環境も改善されている。すると最大の懸念は党大会ではないだろうか。党による企業統治強化の方向性が伝えられている。「インターネット巨頭のBATJを含む35社以上の先進科学技術会社に、すでに党委員会成立」などの先行記事も見られる。

こうした稼ぎ頭への規制は株式市場へどのような影響をもたらすか。証券業界は自らへの規制強化の有無も含め、嵐の過ぎ去るのを待つ心境だろう。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)