衆院選での与党大勝を受けた10月23日の日経平均株価は、前週末比239円01銭高の2万1696円65銭で大幅に上昇して引けた。15営業日連続の上昇は過去最長記録となる。

日経平均株価の連騰が騒がれているが、その割に自分の保有銘柄はそこまで上昇していない、といった投資家の声も聞こえてくる。なぜ思ったほど上がらないのか、それは株式市場に流れる資金に特徴的な動きがあることに要因がある。その理由を解説していいこう。

大型株が相場を先導 小型株上昇率は1%にも満たず

日経平均株価,15連騰
(写真=PIXTA)

日経平均株価が勢いをともない上昇を始める時には、日経平均株価への寄与度の高い企業(値がさ株)や時価総額の大きい企業の株価が上昇する。

たとえば影響力の高い企業はファーストリテイリング <9983> 、ソフトバンク <9984> 、大型株はトヨタ自動車 <7203>、野村ホールディングス <8604> などがそれに当たる。

チャートを確認するとわかるが、上に挙げた企業の株価は日経平均株価の上昇と連動をしている。これらの株式を保有している個人投資家は利益が出ていることになる。

しかし、個人投資家の中にはどちらかといえば大型株ではない中小型株を保有している傾向がある。実際、東証一部大型株指数と東証一部小型株指数の上昇率を比較してみてみるとその違いがよくわかる。株価チャートは、「SBI証券 東証1部指数大型株指数」「SBI証券 東証1部指数小型株指数」で検索すればみることができる。

解散総選挙発表後、小型株指数は9月19日から22日までの4日間の間で残念ながら1%も上昇していないが、東証一部大型株指数は2%を超える上昇を演じている。ここからもわかるように典型的な大型株相場が到来しているといえそうだ。

株式市場の「資金移動」に注目を

株式市場では頻繁に資金移動がおこなわれる。
例えば新興株市場が上昇するときには新興株に資金が集まり、決算時期になると決算の良い企業に資金が集まる。一方で不穏な空気となっている企業や株式市場からは資金が逃げるため、企業であれば株価が下がっていくことになる。

実際に今回の総選挙の話がでるまでは、地政学的なリスクもあり外国人投資家の保有比率の高い大型株からは資金が流出する事態となっていた。しかし総選挙のニュースが好材料視されたことによって、これまでの資金流出に歯止めがかかり、資金が大型株へと戻って来るという巻き戻しの動きが見られている。

株投資をする際には、「いまどういった企業が注目されているか」を把握する必要がある。結局は日経平均株価が上昇しているからといって、必ずしもすべての株が無条件で上がるわけではないのである。

新興市場は無反応

そして、最近は新興市場(特にマザーズ)が不振だ。
解散総選挙発表後もマザーズ指数は一応の上昇は見られたものの、マザーズ指数に対して寄与度の高いミクシィ <2121> 、サイバーダイン <7779> 、そーせい <4565> といったマザーズ銘柄の株価は目立った上昇が見られない。

マザーズに上場する銘柄は個人投資家に人気のある銘柄が多い。ここ数日の上昇において利益が乗らないのには、こうした新興市場の不振も原因としては考えられる。

ただし、日経平均株価のここ数日の上昇が一服した後で急にマザーズ相場が再来することもある。日経連動の大型株相場の今は新興株組みにとってはとりあえず静観する姿勢でいるのが吉だろう。

個人投資家好みの優待株も不人気となるタイミング

新興株と同様、優待株も個人投資家に大人気だ。保有株のほとんどを優待株で固めている投資家もいるほどだが、そんな優待株も今のような相場では残念ながら上昇は見込めない。

優待株は日経平均株価とは異なる独自の動きをする上、大型株相場のときには株価が上がるどころか逆に下落することもある。優待投資家にとってはしばらくは我慢の相場となることも十分予想される。

上値を追わずに待つ姿勢を保つのも重要

こういうときには個別の株式を保有している投資家の資産は意外にも増えないことが多い。単純に資産を日経平均連動型のETFや大型株のみに投資している個人投資家は別として、小型株に投資をしている投資家の資産は増えず、やきもきしていることだろう。

しかしここで、大型株に資産を切り替えたりすると、相場のいったんの天井を掴んでしまうこともあるので、ここは我慢のしどころでもある。日経平均株価上昇の上値を追わずに「保有銘柄」の上昇ターンがくるのを待つ姿勢も重要なのだ。

谷山歩 (たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「 インカムライフ.com 」。著書に「 超優待投資・草食編 」がある

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