中国では、改革開放後20年の高度成長を経て、経済成長率は低空にある。こうした状況下、「高淨値人士」(資産600万元=約1億円=以上の富裕層)たちの資産運用は、保守的傾向を強め、今や盲目的な楽観はない。富裕層はどこへ向かおうとしているのだろうか。ニュースサイト「今日頭条」が分析記事を載せている。

低リスク中リターンの金融商品を望む

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(写真=AJR_photo/Shutterstock.com ※写真はイメージです)

調査によると、2017年の家庭資産規模は基本的に変わらない、と答えた富裕層は62.9%に達した。減少したと答えたのは31.0%もあり、増加したという人は6.1%に過ぎなかった。

大多数の富裕層が、リスクコントロールされた中程度のリターンを望んでいた。また低リスク低リターンを望む人は、6.8%、高リスク高リターンを望む人は12.2%、81%の人は、低リスク中リターンを希望している。しかしそんな都合のよい金融商品があるのだろうか。

調査対象富裕層の45.6%は、固定収益型金融商品に興味があると答えている。また36%は保険商品に興味を示している。この数値は2016年下期には15%だった。保険への関心が高まっている。

保険にはあまり関心がなかったが?

中国富裕層の保険契約数は低いという調査結果が出ている。中国人(富裕層)の84.9%の保険契約数は5本以下である。これに対して米国人は平均8本、日本人は6本持っているという。つまり近未来にわたって、中国のハイエンド向け保険市場は、継続して拡大すると見られる。

富裕層はどの保険に興味をしめしているのだろうか。一番人気は複数回答で、健康保険57.9%だった。2位は財産保険41.7%、3位は意外保険(傷害保険)38.9%、4位は人寿保険(生命保険)37.8%、5位は養老保険の28.6%だった。

富裕層は保険に対してどんなサービスを求めるかという問いには複数回答で、51.3%が契約時の健康診断サービス、45.3%が海外での診療機会を挙げている。

株式と投資信託 PEなどに関心

保守的な投資傾向となっている富裕層だが、依然として20.3%の人は株式、特にプライベートエクイティや投資ファンドに興味を示している。

富裕層が株式系の金融商品を購入するに当たって重視する点は複数回答で、ファンドマネージャーの実績67.9%、投資期間50.7%の順だった。5年以下を望む人が58.1%である。

また株式系金融商品に期待する収益率は、10~20%を期待する人が、42%、20~50%を期待する、35.1%、50%以上、13.9%、10%以下、9%だった。

海外投資 自らも移住したい?

最後は海外投資である。世界経済の回復傾向に伴い、富裕層の関心は高い。調査によると海外投資の目的は複数回答で、人民元の下落リスク 52.5%、子女留学準備 46.3%、高収益期待 35.6%、の順だった。

また興味のある海外投資商品は、ヘッジファンド 31.6%、保険 30.3%、債券型ファンド 24.3%の順だった。

また海外移住の意欲も依然として強い。調査対象の3.5%は既に移民をしている。18.1%は「実際に計画中」、56.0%は「将来移民の可能性有り」。「まったく考えていない」は22.3%だった。外貨資産を持っているかの問いには、有り 53.4%、無し 46.6%だった。

この1年、財産を減らした富裕層は30%に及んだ。そのため投資姿勢は控えめといってもデータを見る限り意欲は旺盛である。

今の関心は、保険商品と海外(移住も)に向いているようである。金と同じように金持ちも簡単に国境を超える。そしてこの流れは誰も止めようがない。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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