ワタミ <7522> の業績が回復基調にあるようだ。11月14日に発表された2018年3月期第2四半期決算(4~9月)では、経常利益が上半期ベースで4期ぶりに黒字化を達成した。落ち込んでいた国内外食事業に復調の兆しが見られるが、その背景には主力ブランド「和民」からの転換が要因にある。

居酒屋が好調 通期では最終黒字も視野に

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(写真=PIXTA ※画像はイメージです)

同社が発表した2018年3月期第2四半期連結決算(4~9月)によると、売上高は前年同期比1.6%減の474億円、営業利益は2億1900万円の赤字、経常利益は前年同期から黒字転換となる1億5600万円、純利益は2億1400万円の赤字となった。上半期ベースで経常利益が黒字となるのは、2014年3月期以来、実に4期ぶりとなる。営業利益と純利益は赤字に沈んでいるものの、こちらも前年同期からは回復傾向にある。通期では共に黒字を見込んでおり、達成されれば、復調基調がより鮮明となろう。

上半期ベースで4期ぶりの経常黒字を達成したワタミであるが、その要因は主力事業である国内外食事業の復調にある。同事業全体の売上高は前年同期比4.6%増、既存店売上高は同7.2%増と更に高く、9月まで13ヵ月連続での前年同月超えとなっている。

好調の要因は「和民」ブランドからの脱却

国内外食事業が復調傾向にあるのは2つの理由があると見られる。不採算店舗の閉鎖と「和民」ブランドからの転換だ。

不採算店舗の閉鎖であるが、同社は2014年3月期を境に、従来の拡大路線から転換、採算を見極めた効率的な経営へ舵を切っている。2014年3月期末に646店舗あった店舗数は、9月末には467店舗と3割近くも減少している。不採算店舗の閉鎖を進めた事が利益の回復につながっていると見られる。

「和民」ブランドからの転換も非常に重要である。同社は居酒屋「和民」を主力ブランドに据え、経営を行ってきた。しかし、同社の労働環境や企業理念から「ブラック企業」であるとのイメージがつき、「和民」の名を冠した店舗から客離れが起きるようになっていた。店舗を「和民」から「三代目鳥メロ」、「ミライザカ」といった別ブランドへ転換する事で、そのイメージ払拭を図ったようである。2014年3月期末には「和民」、「わたみん家」といったブランドが全体の9割を占めていたが、9月末にはその比率は4割程度にまで落ちている。一方で、「三代目鳥メロ」、「ミライザカ」はその比率を増やしており、2018年3月期中には、その比率は逆転する見込みとなっている。

「和民」からの転換には、イメージ戦略とは別にもう一つの効果もある。店舗の専門性を打ち出せる事である。従来の「和民」は、総合居酒屋として、何でも好きな料理を楽しめる店舗となっていた。近年、専門性を打ち出した居酒屋が多く現れ、トレンドとなりつつある中、それに沿った店舗運営を行う必要性に迫られていたのである。

「三代目鳥メロ」、「ミライザカ」は共に、焼き鳥や唐揚げ等、鶏料理をメインとした店舗となっている。鳥貴族 <3193> をヒントに昨年6月から出店を始め、客足を順調に伸ばしてきた。両ブランド共、転換前の店舗と比べた売上高が、平均で30%増を超えている。更に鶏料理は原価が安く、利益貢献にもつながっていると見られる。同社は他にも、ステーキ店等の出店も始めており、今後もブランド転換戦略は進められていくだろう。

本格回復は道半ば

ただ、ワタミの本格回復はまだこれからである。今回決算で注目された主力の国内外食事業も営業利益ベースではまだ赤字となっている。通期では黒字化を見込んでいるものの、10月の既存店売上高は前年同月比1.0%減となっており、13ヵ月続いた前年同月超えも途絶えた。

ワタミのもう一つの柱となっている宅食事業も、近年の成長は鈍化傾向にある。今回決算でも同事業の売上高は前年同期比5%増となったものの、営業利益は同0.4%減となった。

国内外食事業に回復の兆しが見られるワタミは、これを機にその基調を確実な物にしたい。まずは同事業を確実に利益を生む事業にするべく、経営の効率化と脱「和民」ブランド戦略を継続していくと見られる。酒離れも指摘される国内で、この回復基調を維持できるのかに注目したい。(ZUU online編集部)

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