創業情報交流ブログの「獵雲網」は、11月末に2017年度CEOサミットを開催し「最具独角獣潜力創業公司top10」を発表した。独角獣とは西欧古代神話に登場する「ユニコーン」のことで、額の中央に一本の角が生えた馬に似た伝説上の生き物である。ここでは鋭角な技術とポテンシャルを持つ、将来有望な企業を表象している。米国CB Insightsは今年の9月末に、全世界のユニコーン企業を選定したが、中国企業の数は米国に次ぎ2位であった。ニュースサイト「今日頭条」が伝えた。

これより前、国務院科学技術部は今年3月、「2016年中国独角獣企業発展報告」を発表している。それによると2016年における中国のユニコーン企業は131社という。これは2015年に比べると70社も増加した。中国企業の創新力は小さなものにとどまってはいないという。

以下トップ10に選ばれた、大きく成長するかもしれない企業たちを見ていこう。近未来の中国を解くカギがきっと隠されているに違いない。(1元=16.9日本円)

10位~8位、北京発の新業態

中国経済,まとめ,
(画像=各社Webサイトなどより)

第10位 ZMT衆盟(北京市)……マーケティング

ZMT衆盟は、国内初の中小企業向けのプレシジョン・マーケティング用のプラットフォームを運営する会社だ。プレシジョン・マーケティングとは、適切なターゲット顧客に対し、適切なチャネルで適時に適切なメッセージを伝達するマーケティングのことを指す。同社は成立以来、オフライン消費者のビッグデータを収集し、オンラインデータ体系化を行ってきた。

そしてすでに、国内最大のオフラインのマーケティングデータシステムを完成させている。200万を超えるシチュエーションを駆使することにより、全国300の都市において、最適なマーケティングを提案できるという。また同社は11月までに累計3億元融資の受けている。これはこうしたオフラインデータ収集の業態では最高額であるという。

第9位 易電聯(北京市)……クラウドコンピューティング

易電聯は、消費者向け電子商取引のシステム基盤としてのクラウドコンピューティングを専業としている。独自のEnterprise Resource Planning (企業資源計画)を研究を積み重ねている。これにより、各社の資金調達、倉庫、物流など、各事業部門に対して、スマート化サービスを提供する。

またブランドメーカー、代理店、零細小売商まで含めた垂直型プラットフォームの構築も目指していく。最終的には業界横断型の、倉庫網、物流網、情報網、商品網、資金網、ビックデータ網の同時実現を図る。これは各社に開放され、業界のインフラとして運営することを目標としている。

第8位 易点祖(北京市)……IT機器レンタル・リース

易点祖は、中国で初めてのIT設備のレンタル・リース会社である。国内の中小企業は毎年2800億元に及ぶ設備・備品を購入していると見積もられている。そのうちIT機器は、1社当たり2万元であり、パソコンだけで800億元となっている。

同社は、中小零細企業や創業企業に対し、保証金なしでIT機器を貸し出している。また貸出し企業に対する固定資産管理、IT機器の運用修理サービスも行う。すでに易点祖のサービスは全国1200都市をカバーし、2万社を超える企業が利用している。累計貸出し設備は20万台を超えている。近日。B輪融資、1億2000元を新たに受けた。

7位~5位 杭州市から2社

第7位 淘粉吧(杭州市)……ネット通販パイロット

淘粉吧は“通販返利ネット”の代表的存在である。“網上購物導航服務平台”ともいう。平台はプラットフォームの意である。これだけでは一体何をしているのかわからない。この業態は、天猫、淘宝(以上アリババ)京東、蘇寧易購、唯品会、携程、一号店、アマゾン、など500を超える有名ネット通販と提携し、これらサイトのお買い得商品を一堂に紹介し、各サイトへ導く役割を果たしているのだ。

毎日朝10時に、淘粉吧のサイトを開くと、各通販サイトのお値打ち商品が掲載されている。また同社自身でも、お買い得商品の設定も行っている。ネット通販大国・中国以外には、ちょっと考えにくい業態だ。日本ならカカクコム <2371> が自らセールを企画して、各サイトへ導くようなイメージだろうか。今後はネット金融との一体化を図り、業務の多元化を目指していく。

第6位 閃修侠(杭州市)……スマートフォン修理

閃修侠は、スマートフォン修理業を社会資源化した、独創的なプラットフォームである。膨大な数のスマートフォンユーザーに「快速修理サービス」を提供している。全過程を可視化した修理サービスである。現在、北京、上海、広州、深セン、杭州、成都、蘇州、南京、武漢、重慶、無錫の11都市において「快速」が可能である。2015年の創業から2年、業容は急拡大し、現在は800人を超える修理エンジニアを抱えている。年間の営業収入は、3億元を突破する見込みだ。

第5位 可愛学(北京市)……学習塾

可愛学は、もともとO2Oの家庭教師派遣会社だった。それをアップグレードさせて、放課後にきめ細やかな対面式の教育を施すサービスを提供する会社となった。対象は3歳~12歳の児童である。授業の補習の他にも、芸術や趣味の教育、戸外学習などのプランもたくさんある。すでに同社の業界におけるブランド価値は確立している。今後、山東省、安徽省の重点地区では、直営+加盟モデルで展開していく。2年で1000校を完成させる予定だ。オフライン強化の流れである。

4位~1位は、多士済々

4位 好租(北京市)……事務所仲介サービス

好租は、事務所など事業用不動産物件探しサービスのプラットフォームである。事務所や用地の手配には、これまでは仲介者に依頼するのが普通であった。専門家ではない人も多く、家賃交渉中の情報は不透明で、正しい価格かどうかわからない。こうした状況に対し、好租は、事務所家賃交渉の効率化と方程式化を実現させた。

2017年には北京、上海、広州、深セン、成都など一二線級の重点都市は全面的にカバーし、約80万の上質な物件を確保している。サービスを提供している企業は30万社を突破し、月平均で1万社増加している。

3位 海云数据(天津市)……ビッグデータ

海雲云数据は、ビッグデータを顧客がセルフで可視化できるツール「図易」を完成させた。このプラットフォームは、キーを作成しさえすれば、簡単な操作で利用できる。「図易」の他「智駕」「智警」「慧務」などの産品を結合させ、ビッグデータの“運営生態圏”を確立している。ビッグデータ提供業界をけん引する存在である。

2位 触手TV(杭州市)……スマホゲーム

触手TVは、中国で最初のスマホゲームをオンライン放送で提供するプラットフォームである。2015年7月に放送を開始し、今では移動端末向け最大のプラットフォームともなっている。1日当りの放送数は15万、利用者数は700万人に達している。今年1月には4億元の融資を受けた。新しいゲーム界のリーダーとして、急カーブの成長曲線を描いている。

1位 愛拼機(杭州市)……トラベルサービス

愛拼機は、エアーチケットの団体購入をメインとしている。サイトを見ると、3人以上で団体を形成することが可能とあり、上海ー東京 2100元、上海ー大阪 1900元などと表示されている。また旅行の流れとして、第一歩、需要の発起(自由に旅程を出してもらう)第二歩、需要の実現(提携3000社をつなぎ、人工智能による旅程の提案)第三歩、迅速な出発(人工智能と同期、時間保証)となっている。

自分一人なら、安チケットを探すのはそれほど苦にならない。しかし人数が増えるとなると、瞬時に代替案を考えるのは非常に難しい。そうした隙間を埋めるサービスといえよう。大変便利で、航空業の発展に貢献したと評価されている。

大手と対決する注目ネット企業

企業トップ10社は、北京市周辺と杭州市に集中していた。杭州市はアリババの本拠地であり、同社の存在は新業態の登場に、有形無形の影響を与えていると考えられる。

最後に筆者の注目している会社を紹介したい。

番外 店小桔(天津市)……O2Oの新小売業プラットフォーム

2013年創業、会社案内には国内最先端のオンラインオフライン融合技術、産品の研究開発及び応用とある。店小桔は、日用品企業と末端小売商を結ぶプラットフォームである。もっと簡単に言えば、全国で600万という零細パパママストアを組織しようとするものだ。日用品商店は無料で、飲食店は年会費365元でサービスを提供する。

店小桔のシステムを導入した小売店は、同じくシステムをダウンロードした消費者に、これまでにないサービスを提供できるようになる。スマホをシェイクすれば、近くにあるシステム導入店が表示され、商品と価格も表示される。またシステムに乗ることで、店は売れ筋商品を安価で仕入れることもできる。販売奨励金も出る。販売分析データも提供される。

ターゲットは大都市以外の地方である。現在、華北、東北、山東などのモデル地区において1万を超える商店がシステムを導入した。1店舗当たり20人、1日平均3万人がアプリを利用している。

この店小桔が注目される理由は2つある。

1つめは、ネット通販1位のアリババ、2位の京東も、それぞれパパママストアを囲い込もうとしていることである。アリババは「天猫小店」京東は「京東便利店」という名で、零細店に加盟を呼び掛けている。こうした大きなオンライン上の販売力を持つ大企業に、対抗してやっていけるかどうか。

2つめは、創業者の韓尚逸氏が24歳にして既にこれが3度目の起業であるということだ。17歳のときに「彩眸網」を創業し、21歳のときには、某校園金融(学生ローン)の共同創業者となっている。ネット産業をけん引する90后(1990年代生まれ)を象徴するような人物であるからだ。

こうした創業者の若さにも、中国ユニコーン企業の有望さが表れているのではないだろうか。この中から第2の馬雲(アリババ)馬化騰(テンセント)が出るかどうかにも注目だ。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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