今週の焦点は、日経平均が終値で2万3000円の大台に乗せて年初来高値を更新するかどうかだ。日経平均は先週、今年最大の下落に見舞われた場面があったが、その後2営業日でそれぞれ300円超、合計で600円超の大幅高を演じ、下げを一気先週の日経平均は崩れかかる一歩手前でなんとか持ちこたえた。結果的に2万2500円の節目を意識するような動きとなった。週末の米国市場でダウ平均が最高値を再び更新したことは、日経平均がこの水準で値固めすることの支援材料となるだろう。

今週の最大のハイライトは米国の税制改革法案の成立。週内に可決される公算が高く、その際の市場の反応が注目点だ。米国株は減税法案の期待で上昇してきただけに、強烈な材料出尽くしとなって売られるリスクもある。あるいは不透明材料が決着したことを素直に好感して一段高となるか。僕の予想は、その両者が合い混じり、売り買い交錯で結果的に無反応(のように見える)というものではないか。

今週は今年最後の日銀金融政策決定会合が開かれるが現状維持がコンセンサス。黒田総裁就任以来、初めて政策変更がなかった年となる。

主要経済指標の発表も少なく、今週は名実ともに海外勢のクリスマス休暇入りで動意の乏しい週になるというのが大方の見方だろう。しかし、先週からすでに海外勢はクリスマス休暇入りで動かないといった観測も聞かれたが、実際に米国株は先週末に高値をとってきている。みんながみんな休むわけではなく、むしろひとが休んでいるときこそ稼ぎ時と思う投資家もいるはずだ。コンピュータによるプログラム取引なら、ひとが休んでいる間にも機械が取引してくれるだろう。全体的に薄商いのなか、意外に値が飛ぶリスクも頭にいれておこう。特に上述した税制改革法案成立を受けた米国株の反応には注意したい。

金曜日にはニトリホールディングスの3‐11月期の決算発表がある。この銘柄は長期上昇トレンドが続く中、押し目買いが報われてきた。足元も良い押し目買いのタイミングのように思われる。

今週の予想レンジは2万2300円~2万3000円とする。

広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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