2018年2月9日からの冬季五輪と3月のパラリンピックを控えた江原道の崔文洵(チェ・ムンスン)知事は、興行、宿泊、寒さ、北朝鮮、競技場の事後活用を課題として挙げている。

2017年11月26日現在の入場券の販売率は57.6%で、パラリンピックは22万枚のうち1万1000枚にとどまっており、教育部は学校が現場実習として見学する予算200億ウォンを編成した。

日本大使館の安全対策

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(画像=筆者撮影、フィギュアスケート競技が行われるアイスアリーナ)

平昌五輪に関連する安全対策セミナーが在韓日本大使館公報文化院で行われ、2017年11月に実施した安否確認訓練の結果報告に続いて、五輪会場へのアクセスや宿泊、緊急時の対応についての説明が行われた。

日本大使館に在留届を提出している日本人は2016年10月1日現在で約3万8000人余り。韓国の出入国データでは、旅行者を含めて常時5万人から6万人の日本人が韓国に滞在しており、五輪の会期中はさらに増えると予想されている。

日本大使館は2017年11月に携帯電話向け文字メッセージSMSによる安否確認訓練を実施した。訓練対象者はソウルジャパンクラブの会員で、2016年度までは対象者にSMSを発信し受信状況を確認するのみだったが、2017年度は受信者が安否状況について返信するシステムを導入した。訓練対象者1530人中、92.9%にあたる1431人にSMSが到達し、1129人が返信している。ローマ字でなされた発信にとまどう人は少なくなかったが、領事部は緊急メッセージを識別する訓練も兼ねていると説明した。

宿泊と交通はどうなりそうなのか?

冬季五輪は、江原道平昌(ピョンチャン)郡をメイン会場に、江陵(カンヌン)市でスケート競技、旌善(チョソン)郡でアルペン競技が行われる。日中の気温は氷点下10度以下で、朝晩は氷点下20度以下と予想されている。各国のVIPが来場する開会式は夜8時の開始だが、セキュリティ上、一般観覧者は2時間前までの入場となる予定で、式典と合わせると氷点下20度以下のスタジアムに4時間以上、着座することになる。

氷点下のなか野外等の宿泊は不可能で、5万ウォンから10万ウォンのホテルやモーテルの宿泊料は35万ウォンから一時は50万ウォンまで高騰したが、KTX時刻表の発表後、価格が低下しはじめている。

韓国鉄道公社が2017年11月27日に発表したソウルと江陵を結ぶ高速鉄道KTXの時刻表によると、五輪期間中は江陵駅を出発する最終が午前1時まで延長され、夕方以降に行われる競技を観たあとからソウルに移動が可能となっている。ソウル駅から江陵駅まで片道2万7600ウォンで、ソウル市内に宿泊して往復しても15万ウォンから20万ウォンで収まる計算だ。

江原道庁が五輪競技場から1時間以内の宿泊施設を対象に実施した全数調査で、宿泊料全額を支払った契約は25%で、契約金のみ支払った予約者を含めても35%程度にとどまっている。高額な宿泊料を要求される利用者は少なく、最終的には10万ウォン台になるだろうとみられている。

外国人の安全対策

韓国政府と江原道は、海外からの来場者に対応する五輪統合案内コールセンター(1330)を開設した。英語、日本語、中国語に対応し、宿泊や料理、交通、文化行事などの五輪関連情報に加え、通訳サービスも提供する。

現場に配備される観光警察官は、英語、日本語、中国語のいずれかの会話が可能で、10か国語に対応する翻訳機を携行する。違法行為の取締りや苦情処理のほか、観光案内にも対応する。黒いコートと黒のベレー帽を着用する観光警察官は、黄色いジャケットを着用する警護担当やグレーのジャケットと着用する一般警察官との識別は容易である。日本大使館も平昌に連絡事務所を開設する予定という。

五輪後は12の競技場のうち8競技場は活用案が決まっているが、スライディングセンターやスキージャンプ台など、商業利用が困難な4つの施設は中央政府による運営を要請しており、事後活用方案は決まっていない。

五輪観戦は寒さ対策が一番だろう。在韓日本大使館のWebサイト( http://www.kr.emb-japan.go.jp/people/pyeongchang.html )などを参照し、安全な観戦を心がけたい。(佐々木和義、韓国在住CFP)