金融事業を運営するSMBCコンシューマーファイナンスは、『20代の金銭感覚についての意識調査2017』を発表した。調査によると、住宅購入をしようと思える世帯年収の割合は、年収500万円で約3割となった。

一方、国土交通省が2017年3月に発表している『住宅市場動向調査報告書』によると、実際に住宅を一次取得した世帯年収は、戸建住宅は年収400万から600万世帯が全体の3割を超え最も多く、分譲マンションについては年収600万から800万円が約3割と最も多かった。

戸建住宅については20代の金銭感覚と実際の住宅購入の世帯年収とは「差」が少ないと考えられるが、分譲マンションについては実際の世帯年収とは「感覚」の違いがあるようだ。

年収500万までの3人に1人は住宅購入に前向き

住宅,マイホーム購入
(画像=PIXTA)

冒頭の20代の金銭感覚についての調査は、2017年10月に20歳から29歳の男女1000人を対象にインターネットリサーチで行われた。

「自宅を購入しようと思える年収(世帯年収)は?」という項目では、「年収500万」と回答した人は12.6%で、「年収400万(7.3%)」「300万(2.9%)」「200万(1.2%)」「年収がどんなに少なくてもしたい(6.5%)」と回答した人を合わせて30.5%の人が、500万円までの年収で住宅購入に前向きであることが明らかとなった。感覚的なものとするならば、世帯年収400万から500万がひとつの目安となっているようだ。

では、実際に年収400万円、500万円に達する年齢はどのくらいだろうか。男性の平均給与で見てみよう。

国税庁の『平成28年分民間給与実態統計調査』によれば、「20代前半(20~24歳)」の男性平均給与(年収)は275万円、「20代後半(25~29歳)」の男性平均は383万円、「30代前半(30~34歳)」の男性平均は457万円、「30代後半(35~39歳)」の男性平均は512万円、「40代前半(40~44歳)」の男性平均は563万円、「40代後半(45~49歳)」の男性平均は633万円となっており、男性は30代前半で年収400万、30代後半で年収500万円を超える結果となっている。この調査は個人の実態調査であり、実際には配偶者と合算した世帯年収を考慮する必要があるが、住宅購入を本格的に検討するならば、20代後半頃からが可能性として高いと考えられるだろう。

戸建住宅と分譲マンションでは世帯年収の割合傾向が違う

実際に住宅を購入した一次取得者(初めて住宅を取得する人)の年収割合はどうなっているのだろうか。前述の『2016年の住宅市場動向調査』によれば、注文住宅の取得者では「年収400万から600万円」が34.6%と最も多く、次いで「600万円から800万円(22.7%)」、「800万から1000万円(13.1%)」、「400万未満(11.9%)」と続いている。分譲戸建住宅においても、取得者の年収割合は似た傾向にあり、「年収400万から600万円(38.3%)」が最も多かった。

一方、分譲マンションを購入した一次取得者は「年収600万から800万円」が28.4%と最も多く、次いで「400万から600万円(19.7%)」、「800万から1000万円(17.5%)」、「1000万から1200万円(13.7%)」と続いた。

上述の調査結果から、戸建住宅と分譲マンションでは、世帯年収の割合傾向に違いがあることが読み取れる。注文住宅では、最も多い「年収400万から600万円」と2位の「600万から800万円」を合わせると57.3%と全体の約6割近くを占めているのに対し、分譲マンションでは、「年収400万から800万円」までの割合を合わせると48.1%と全体の5割に届かなかった。

20代が住宅を購入しようと思える「感覚」的な世帯年収は、戸建住宅については遠からずとも言えるが、分譲マンションでは「感覚」の世帯年収よりもハードルが高いようだ。多くの人は住宅ローンのリスクを抱えて住宅購入をする。それがいつのタイミングになるにせよ、将来設計をよくよく検討したうえで計画してほしい。(岩野愛弓 宅地建物取引士、住宅専門ライター)