2017年12月末までに「最も純利益を上げたヘッジファンド」のランキングが発表され、レイ・ダリオ氏率いるブリッジウォーター・アソシエーツが497億ドルで1位となった。2位はジョージ・ソロス氏のソロス・ファンド・マネジメント(493億ドル)、3位はケン・グリフィン氏のシタデル(286億ドル)だ。トップ20の純利益総額は4820億ドル、総運用資産は5147億ドルにおよぶ。

2017年の成績が最もよかったのは、ローン・パイン・キャピタル、キングストリート・キャピタル・マネジメント、バイキング・グローバル・インベスターズという結果に。

ランキングはLCHインベストメンツが2017年12月に作成した報告書「グレート・マネー・マネージャー」 に掲載されたもの。

米国と英国で独占

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(画像=Thinkstock/GettyImages)

最も純利益を増やしたヘッジファンドトップ20を、ポートフォリオマネージャー名と設立以来の純利益とともに紹介しよう。

20位 TCIファンド・マネジメント(英国) クリストファー・ホーン 142億ドル
18位 キャクストン・アソシエーツ(英国) ブルース・コーブナー/アンドリュー・ロウ 147億ドル
18位 エガートン・キャピタル(英国) ジョン・アーミティジ 147億ドル
17位 キングストリート・キャピタル・マネジメント(米国) ブライアン・ヒギンス/フランシス・ビオンディ 157億ドル
16位 ブレバン・ハワード(米国) アラン・ハワード 179億ドル
15位 ポールソン・アンド・カンパニー(米国) ジョン・ポールソン 181億ドル
14位 ムーア・キャピタル・マネジメント(米国) ジョン・ムーア・ベーコン 184億ドル
13位 ミレニアル・マネジメント(米国) イスラエル・イングランダー 206億ドル
12位 SACキャピタル/ポイント72(米国) スティーブ・コーエン 211億ドル
11位 ファラリョン・キャピタル・マネジメント(英国) トム・ステア―/アンドリュー・スポークス 214億ドル

10位 エリオット・マネジメント(米国) ポール・シンガー 243億ドル
9位 アパルーサ・マネジメント(米国) デヴィッド・テッパー 254億ドル
7位 バイキング・グローバル・インベスターズ(米国) アンドレアス・ハルヴォルセン 260億ドル
7位 オクジフ・キャピタル・マネジメント(米国) ダニエル・オク 260億ドル
6位 バウポスト・グループ(英国) セス・クラーマン 270億ドル
5位   D. E.シャウ・グループ(米国) (複数のマネージャー) 271億ドル
4位 ローン・パイン・キャピタル(米国) スティーブ・マンデル 272億ドル
3位 シタデル(米国) ケン・グリフィン 286億ドル
2位 ソロス・ファンド・マネジメント(米国) ジョージ・ソロス/複数のマネージャー  439億ドル
1位 ブリッジウォーター・アソシエーツ(米国) レイ・ダリオ 497億ドル

エガートン・キャピタルとTCIファンド・マネジメントが初のトップ20入り

設立年数は各ファンド異なるため、例えば集計の時点でソロス・ファンド・マネジメントは設立48年であったのに対し、ブリッジウォーター・アソシエーツは42年だった。設立年数が長ければ長いほど、純利益が増えやすくなる。

そのため2017年だけの成績を見てみると、トップ3はローン・パイン・キャピタル(50億ドル)、キングストリート・キャピタル・マネジメント(42億ドル)、バイキング・グローバル・インベスターズ(40億ドル)と、大きく順位が入れ変わる。運用資産総額では、1199億ドルというけた違いの巨額を運用するブリッジウォーター・アソシエーツが1位だが、2位はミレニアル(355億ドル)3位はオクジフ(319億ドル)という結果に。

昨年のランキングから順位にさほど変動はないが、1995年に設立されたエガートン・キャピタルと2004年に設立されたTCIファンド・マネジメントが初のトップ20入りとなった。

エクイティは好調、マイクロファンド低迷は続く?

ヘッジファンド・リサーチのデータによると、2017年のヘッジファンド全体のリターンは8.5%。ロング・ショート型やバリュー型などを含むプライベート・エクイティ・ファンドは13.2%と、過去4年で最高水準を記録した(フィナンシャル・タイムズ紙2018日1月21日付記事)。

LCHインベストメンツのリック・ソフィア会長は株式市場が大いに沸いた2017年を振り返り、バイキング・グローバル・インベスターズやローン・パイン・キャピタル、TCIファンド・マネジメント、エガートン・キャピタルなど、「エクイティ市場を重視したマネージャーが好成績を上げた」と述べている。

一方マイクロファンドの伸びは4%と低迷。長引く低金利策と低ボラティリティが成長を妨げた。テューダー・インベストメント・コーポレーションの設立者ポール・チューダー・ジョーンズ氏 は自身のディスクリーショナリー・マイクロファンド を「再構築に向けて」一時的に閉鎖したほか、パスポート・キャピタルのCIOジョン・バーバンク氏もマクロファンドを閉鎖した。

ケンブリッジ・アソシエーツのジョー・マレンダ氏は、さらなる利上げがポートフォリオマネージャーに恩恵をもたらすことがあったとしても、「大型マクロファンドは今年も苦戦を強いられる」と見ている(ブルームバーグ2018年1月8日付記事 )。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)