国内株式相場は一進一退の状態が続いているようです。一時に比べ外部環境は落ち着きを取り戻していますが、3月期末を控え、決算対策売りが出やすくなっている他、国内外で政治不安の様相が強まっています。

もっとも、このような投資環境は、配当や株主優待の権利を確保しながら、中長期での銘柄保有を指向している投資家にとっては「投資チャンス」と映るかもしれません。

そこで、今回の「日本株投資戦略」では、3月に株主優待や配当等の権利が確定する銘柄をご紹介することにしました。株主優待のみならず好配当も期待できる銘柄を中心にご説明したいと思います。なお、「3月株主優待銘柄」は原則、3/27(火)が権利付最終日です。権利を確保するまでに残された時間は少なくなっています。

好配当が期待され、「金券」を株主優待に実施予定の銘柄

日本株投資戦略,3月株主優待銘柄
(画像=PIXTA)

最初に、好配当が期待され、「金券」の贈呈を株主優待に実施予定の銘柄をご紹介したいと思います。クオカードをはじめとする「金券」は全国の多くの小売店・外食店で使用できるため、投資家にとっては利便性が高く、人気は高いといえます。

スクリーニング条件は以下の通りです。

(1)3月決算銘柄であること
(2)「3月優待銘柄」で当社サイトでの閲覧回数順ランキング50位以内であること
(3)最低投資単位(ここではすべて100株)での投資金額が50万円未満であること
(4)最低投資単位(ここではすべて100株)で株主優待の権利を受け取ることができる銘柄であること
(5)株主優待の権利を受け取る時に最低保有期間等の制限がないこと
(6)予想配当利回りが東証1部の平均(3/15現在:1.57%)を上回る銘柄であること
(7)第3四半期累計の営業増益率が通期の会社予想営業増益率を上回っている銘柄であること
(8)株主優待として「金券」(クオカード、JCBカード他)の贈呈を計画している銘柄であること

以上の条件をすべて満たす銘柄を、当社WEBサイトの株主優待検索ページにおける閲覧回数順ランキングの上位から並べたものが表1になります。

なお、最近は多くのメディアで株主優待が紹介され、投資家の方はその分多くの情報に接することができます。しかし、そのほとんどは株主優待の魅力にスポットを当てており、業績や株価変動について述べているものは少ないと思います。

「日本株投資戦略」のスクリーニングでは、(7)の条件を組み入れ、業期予想下方修正やそれによる株価下落リストを低下させることを狙っています。さらに、(3)の条件を入れることで、投資家の方が100万円持っていれば、複数銘柄に投資が可能となり、リスクを分散させることが可能になるとみられます。

好配当・好業績が期待され、「金券」を株主優待に実施予定の銘柄
(画像=SBI証券)

その他、好配当が期待され、各種の株主優待を実施予定の銘柄

こちらでは表1の銘柄同様、好配当が期待され、金券を含む各種株主優待を実施している銘柄をご紹介しています。スクリーニング条件として(1)~(7)は表1の銘柄と同じです。ただし、株主優待の内容が「金券」以外のものも含んでいるものとなります。銘柄の順番は表1同様、当社WEBサイトの株主優待検索ページにおける閲覧回数順ランキングの上位から並べたものです。

ユニゾホールディングス <3258> は東京地盤の会社で、オフィスビル賃貸等を行っています。前期まで6期連続で営業増益を確保し、今期も第3四半期累計の営業利益が前年同期比34.4%増と好調です。100株を保有している投資家への株主優待内容は、UCギフトカード3,000円相当に加え、「株主優待券」5枚となっています。この「株主優待券」はグループの各ホテルの客室料金から3,000円の割引を受けたり、八千代ゴルフクラブのプレー料金(平日・1名)から3,000円の割引を受けることができます。

KDDI <9433> は「ライフデザイン企業への変革を目指す」中で、物販サービスである「au WALLET Market」に注力しています。同社の株主優待はその中の「全国47都道府県のグルメ品」から自由に選べるカタログギフトになっています。

東急不動産ホールディングス <3289> の株主優待はフル活用できれば、相当のサービスを受けることが可能です。すなわち、(1)「ホテルハーヴェスト」等で利用可能な「リゾートホテル宿泊優待券」1枚、(2)「東急ステイ」・「リゾートイン」・「パラオパシフィックリゾート」で利用可能な「宿泊優待共通券」2枚、(3)ゴルフ場・「東急スポーツオアシス」・スキー場で利用可能な「スポーツ優待共通券」2枚を受け取ることが可能なためです。また、さらなる株数の保有で、より手厚い株主優待を受けることが可能です。

エレコム <6750> はPC周辺機器、スマホ周辺機器等を販売する会社で、着実に利益成長を果たしています。100株保有の株主は、クオカード1,000円相当に加え、2,000円相当の自社商品を受取ることができます。なお、この2種類の株主優待を享受できるのは3月だけで、9月はクオカード1,000円相当のみになっています。

その他、好配当が期待され、各種の株主優待を実施予定の銘柄
(画像=SBI証券)

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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鈴木英之
SBI証券 投資調査部

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