昨日の海外時間には、前日に急落したイタリア国債の買戻しが優勢となったことからユーロも買い戻されました。ユーロ円の買戻しにつれ高となったドル円も一時109円台を回復しましたが、東京時間にはいって円買いが優勢となっています。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

一昨日急落したイタリア国債が、中期債を中心に大きく買い戻されたことから、為替市場でも前日の裏返しで、ユーロ買い円売りの動きとなりました。イタリアの政局に関しては「五つ星運動」が「組閣作業を円滑に進めるために、経済相に推していたパオロ・サボーナ氏に指名を辞退するよう申し入れた」と報じられたことが好感された模様です。ただ、引き続き再選挙となった場合でも「五つ星運動」と「同盟」を中心とした財政拡張的な政権が誕生すると見られることから、イタリア国債相場は不安定な動きが続くと考えられ、ユーロドルやユーロ円の上昇幅は限定的なものになりそうです。

一旦損切りもドル円売り直し

ドル円相場は、過去2ヶ月あまり続いていた取引レンジを一旦下放れたものの、ユーロ円などの買戻しで一時109円台を回復しました。しかしながら109円台では売り意欲が見られ、すぐに反落したことから、一旦109.00円でドル売りポジションを損切りましたが、108.90円でもう一度ドル売りポジションを作りなおしました。損切りラインを109.20円に置いて、もう少し様子と見たいと考えます。

海外時間からの流れ

欧州時間、序盤から中期債を中心にイタリア国債の買い戻しが優勢となったことから、ユーロも買い戻され、ユーロドルは1.1640台まで、ユーロ円は126.80円台までほぼ一本調子で上昇しました。この間ドル円は108.50円台まで下落したあと108.90円台まで反発しています。

NY時間序盤、イタリア国債の買戻しが一段落したことからユーロがやや売られ、ユーロドルは1.1590台まで、ユーロ円は126.20円台まで反落しました。その後NYダウが上昇を始めると、リスク回避の後退で円とドルが売られ、ドル円は109.00円台まで、ユーロ円は127.30円台まで、ユーロドルも1.1670台まで上昇しました。

NY時間午後にはいって株価の上昇が止まると、やや円が買い戻され、ドル円は108.80円台まで、ユーロ円は126.70円台まで反落したあともみ合いとなりました。

東京時間にはいってからは日経平均が寄り付きの上昇幅を縮める中円買いが優勢となっています。

今日の予定

今日の海外時間にはユーロ圏・5月消費者物価指数(速報値)、ユーロ圏・4月失業率、米・4月個人所得/個人支出、米・4月PCEコア・デフレータ、米・新規失業保険申請件数、米・5月シカゴ購買部協会景気指数、米・4月中古住宅販売保留指数の発表があるほか、ブラード・セントルイス中銀総裁、ボスティック・アトランタ中銀総裁、ブレイナード・FRB理事の講演が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp