決算発表前半戦が終了

日本株銘柄フォーカス,決算銘柄,東証1部
(画像=PIXTA)

3月末決算の日本企業の決算発表の前半戦が終了しました。日本経済新聞の集計によれば、8月3日までに決算発表を行った集計対象企業(全体の約半分)のうち、第1四半期4-6月期の売上高は前年同期比9.6%増、経常利益は11.7%増、純利益は9.5%増とそれぞれ非常に堅調です。一方で通期予想は売上高が3.0%増、経常利益が2.2%増、純利益が1.0%減ということですから日本企業が非常に保守的に業績を見積もっていることがわかります。貿易戦争の影響が懸念されているとは言え、7-9月期の業績が極端に悪化しない限り業績予想の上方修正を行う企業が増えてくるでしょう。なんと言っても株価上昇に必要なのは企業の業績改善です。好調な企業業績が早く株価上昇に結びついてほしいところです。

"ピカピカ"決算の東証1部上場企業は?

さて、本日の銘柄フォーカスでは、全体として順調に進む企業の決算発表の中でも特に決算が好調な"ピカピカ"な銘柄をご紹介します。具体的なスクリーニング条件は以下のとおりです。

◆スクリーニング条件
・東証1部に上場(金融除く)
・過去8四半期分の売上高と営業利益を取得可能
・直近4四半期がいずれも前年同期比で増収・営業増益
・直近4四半期の売上高営業利益率がいずれも前年同期比で上昇(改善)
・2018年の4-6月期の売上高営業利益率が15%以上

簡単に上記のスクリーニングの意図をご紹介します。まず、直近4四半期がいずれも前年同期比増収・営業増益と業績に勢いがある銘柄を選んでいます。さらに、企業の稼ぐ力・儲ける力を示す「売上高営業利益率」が4四半期連続で改善を続けている銘柄を選びました。そして最後にその売上高営業利益率の水準自体も重要視し、15%以上という基準を儲けました。2017年度の東証1部上場企業全体の売上高営業利益率が7%程度ですから、その2倍以上の利益率を誇る「稼ぐ力の非常に強い銘柄」ということになります。それでは以上の条件でリストアップされた銘柄をご覧ください。

日本株銘柄フォーカス,決算銘柄,東証1部
(画像=マネックス証券)

スクリーニングしたところ、任天堂(7974)、信越化学工業(4063)、東京エレクトロン(8035)、シスメックス(6869)、マキタ(6586)、オービック(4684)、日本特殊陶業(5334)、アドバンテスト(6857)、MARUWA(5344)、ツガミ(6101)、日進工具(6157)の11銘柄がピックアップされました。表1は時価総額の大きい順に並べていますが、やはり上位はさすがというべき銘柄が並びます。任天堂スイッチの好調で大復活を遂げた任天堂、塩化ビニル樹脂やシリコンウエハーなどの需要が非常に旺盛な信越化学工業、半導体製造装置メーカーとして世界3位のシェアを持つ東京エレクトロンなどいずれも日本を代表する企業です。

最後に表1の中から時価総額が1兆円に満たない6銘柄を時価総額が"小さい"順にご紹介します。企業概要や業績のグラフはマネックス証券自慢の無料サービス"マネックス銘柄スカウター"から引用しています。ぜひ使ってみていただければ幸いです。

◆日進工具(6157)

●企業概要
切削工具(エンドミル専業)メーカー。工作機械に取り付け鋼材・ステンレス・アルミなどを削る工具「エンドミル」の製造・販売。電子機器等の小型化・高集積化に不可欠な精密・微細加工に用いられる超硬合金素材で小径(刃先径6mm以下)サイズの製品が主力、超硬小径エンドミルは国内トップ。販売代理店・特約店経由の販売先は自動車産業・電気産業が中心。2012年C&Gシステムズ<6633>と精密微細加工向け3次元CAMを共同開発。主要取引先はサカイ。

●通期業績推移

日進工具
(画像=マネックス証券)

●四半期業績推移

日進工具
(画像=マネックス証券)

◆ツガミ(6101)

●企業概要
小型超精密工作機械メーカー。自動旋盤・研削盤・マシニングセンタ・転造盤・ラップ盤などの工作機械を製造・販売、国内工場は長岡に集約。主力製品は小型のCNC(コンピュータ数値制御)自動旋盤と円筒研削盤。ハードディスク駆動装置(HDD)・スマートフォン・デジタルカメラや医療関連部品等の超精密加工部品対応向けが中心。中国・東南アジア・インド等の市場への生産・販売・アフターサービス体制強化を推進(中国での売上は約45%)。2017年子会社が香港証券取引所に上場。

●通期業績推移

ツガミ
(画像=マネックス証券)

●四半期業績推移

ツガミ
(画像=マネックス証券)

◆MARUWA(5344)

●企業概要
セラミックメーカー、愛知県尾張本社。セラミックス製品(セラミック基板・セラミック素材・粉末成形品)、電子部品デバイス(インダクタ・コンデンサ・バリスタ)、石英ガラス部品、照明機器の製造・販売。セラミック基板(チップ抵抗器用アルミナ基板・窒化アルミニウム基板・アルミナジルコニア基板)は世界トップ。放熱・ノイズ対策分野の新規絶縁材料・誘電体材料・磁性体材料の開発に注力。2012年照明メーカーのヤマギワを子会社化。2017年日立パワーデバイスよりセラミック端子事業を承継。

●通期業績推移

MARUWA
(画像=マネックス証券)

●四半期業績推移

MARUWA
(画像=マネックス証券)

◆アドバンテスト(6857)

●企業概要
半導体デバイス測定器の大手メーカー。各種半導体デバイス・電子部品のテストシステム(メモリ半導体用、非メモリ半導体)、メカトロニクス関連(テスト・ハンドラ、デバイス・インタフェース)機器の製造・販売。メモリテスターなど半導体テスト装置は世界トップ。新しいビジネスエリア(製薬・ヘルスケア・バイオ・エネルギー・超高速通信)への技術応用、微細加工・微細検査市場への展開に注力。2011年米半導体検査装置大手のヴェリジーを買収。主要取引先はSamsung Electronics、Intel Corporation。

●通期業績推移

アドバンテスト
(画像=マネックス証券)

●四半期業績推移

アドバンテスト
(画像=マネックス証券)

◆日本特殊陶業(5334)

●企業概要
セラミック総合メーカー。自動車部品(スパークプラグ・グロープラグ・各種センサ)、半導体部品(ICパッケージ)、セラミック製品(切削工具・半導体製造装置用部品・産業用セラミック製品)の製造販売。「NGK」ブランドのスパークプラグ・車載用酸素センサーは世界トップ、骨補填材・真空スイッチ容器・シリコン整流器容器・超音波メス用振動子・セラミック切削工具は世界トップクラス。全固体電池(SOFC)の開発と業務・産業用への事業化、呼気ガスセンサ・大気質センサの開発を推進。2014年三菱日立パワーシステムズと燃料電池分野で提携。2015年太平洋セメントから日本セラテックを買収(73億円)。2016年構造改革のため半導体新会社・センサ新会社を設立、日本エム・ディ・エム<7600>と資本業務提携。

●通期業績推移

日本特殊陶業
(画像=マネックス証券)

●四半期業績推移

日本特殊陶業
(画像=マネックス証券)

◆オービック(4684)

●企業概要
独立系のシステムインテグレータ。会計システムを中心に業種ニーズに特化した基幹系統合業務ソフトウェアERPシステム「OBIC7シリーズ」の販売、業界・業務クラウドソリューションとサポート。ワンストップ・ソリューション・サービスとしてシステムインテグレーションから各種サポート&サービスまで提供。「OBIC7シリーズ」(会計・財務・人事・給与・就業・販売・生産等の業務をカバー)は累計17000社超の顧客に導入(国内ERPトップ)。会計ソフト「勘定奉行」のオービックビジネスコンサルタント<4733>は持分法適用関連会社。

●通期業績推移

オービック
(画像=マネックス証券)

●四半期業績推移

オービック
(画像=マネックス証券)

※上記6銘柄の企業情報および業績データの出所はいずれもマネックス銘柄スカウター

益嶋 裕
マネックス証券 マーケット・アナリスト兼インベストメント・アドバイザー

【関連リンク マネックス証券より】
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