「ビジネスを成功させる根底にあるもの。それは顧客満足度を意識した、質のよいサービスの提供に他ならない」そう語るのは『IT』×『都心』×『不動産』で価値を創造する企業、プロパティエージェントの中西聖社長だ。

プロパティエージェントは「2018年度投資向けマンションデベロッパーに対するオーナーの意識調査」において、3年連続で総合一位に輝いた実績を持つ企業。その中西社長が、受付システムに革命を起こした女性起業家のディライテッド橋本真里子社長を迎え、お互いの経営理念などを存分に語り合った。(対談は2018年8月1日に行われました)

プロパティエージェント
(画像=髙橋明宏)

中西:はじめまして。プロパティエージェントの中西です。弊社は現在、4つのメディアを運用しておりまして、不動産を「買う」「貸す」「売る」「借りる」というお客様からのニーズに対するマーケティングを行なっています。コンパクトタイプの投資用マンションや居住用マンション、アパート、ホテルなどの、企画・開発から販売まで一貫して行い、建物の管理や賃貸も行っています。

橋本:私は、ディライテッドの橋本と申します。弊社はiPadを使った無人受付システム「RECEPTIONIST(レセプショニスト)」の開発と提供を行なっております。これまでは会社の受付に内線電話をおいてあるのが一般的でしたが、代わりにiPadを置き、来客が操作をしてビジネスチャット等を使って各担当者と連絡を取れるというサービスを提供しています。

起業に至った経緯は、受付を約11年経験してきた上で、受付には企業の運営に大切な情報が集まりやすい場所だと気づいたことがきっかけでした。そこで、来客の情報を収集して、ITの力で運営の効率化と情報の活用を図れるのではないかと考えたのです。もちろん、受付のシステムを簡略化できれば、社員の皆様の仕事の効率も上がるのではないかとも考えました。

中西:そのような観点で受付をされている方と初めてお会いしてびっくりしています!私が起業に至った経緯も、やはりお客様にもっと喜んでいただくにはどうすればいいんだろうと考えたことがきっかけでした。もともと別の不動産ディペロッパーで働いおり、26歳で部長になったんですけど、職位が上がっていくにつれて仕事のインセンティブが変わっていったんですよね。

自分の業績を上げることより、会社全体の売り上げでも実績でも一等賞をとりたいという意欲が湧いてきて…。そのために必要なことを考えていた時に、買っていただくことを優先するのではなく、お客様が喜ぶことを優先すれば、自ずと実績はついてくると気づいたんです。それに加えて、お客様に褒めてもらうというのが、内的報酬として嬉しかったということもありますね。

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(画像=髙橋明宏)

橋本:それには私も共感します。弊社は創業してまだ3期目なので中西さんが大先輩なのですが、出発点は同じだと知って良い目標ができました。背中を見て弊社も頑張りたいと思います!

目の前の利益よりもお客様を喜ばせること 実はそれが企業の発展にも繋がる

中西:確かに『顧客満足度』という着眼点は同じですね。僕としては仕事を愛する源泉というのは、お客様に喜んでもらう、満足してもらうという考えしかなかったので、当たり前としてあるんです。

橋本:同感です。私どもの提供しているサービスはシステムをアップデートしていく方式ですので、ご利用いただいているお客様からのお声が、うちのプロダクトを成長させていく源になっています。

中西:しかし、お客様はこちらから働きかけないと何も言ってくれないですよね?黙って離れていくことが多いと思うんですけど、どうやって声を拾う工夫をしていんですか?

橋本:ご利用いただいたお客様には導入いただいてから数ヶ月後に、ヒアリングする機会を頂戴しています。結果として、弊社のサービスは継続率が99.5%という高い数字になっています。

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(画像=髙橋明宏)

中西:確かに声を聞かせていただいても、真摯に向き合えるかどうかで満足度は変わってきますよね。その結果が99.5%なんですね。素晴らしいと思います。

橋本:中西さんは顧客満足度を上げるために、どのような取り組みをされていますか?

中西:購入して下さるお客様の資産価値の保全および向上を第一に考えて行動していることでしょうか。具体的な取り組みとしてはいくつかあるのですが、ひとつ申し上げますと建てる前に徹底した調査を行うことです。「ここに住まう人はどういう層が多いのか」を調査するのは当たり前なのですが、うちは「どういう性格なのか」といったところまで調査するんです。

例えば、秋葉原のマンションだったら、ネット系、オタク系が多いのかなって思いませんか?でも、実際は大手町のスーツ組が多いんです。そこで、その人たちにはどういう建物が向いているのかということを考えて、色、仕様、形を決めたり、ストーリーを決めたりしています。正直な話、ここまでやってしまうとデベロッパーって利益が上がらないです(笑)。でも、ここまで取り組みを行うことが将来的にマンションの価値を継続させることに繋がるので、投資してくださるお客様のことを考えて、命をかけてやってますね。

橋本:素晴らしいですね!

中西:もう一つは、お客様謝恩会やお客様との対談をやってサイトで公開しています。これはお客様の声を聞くのと同時に、僕自身が感じていたお客様に喜ばれることの内的報酬を、うちの社員にも知ってもらう機会を設けるという目的もあります。お客様が担当者に対して「ありがとうね。あなたから買ってよかったよ」と言ってくれるんです。褒められて嬉しくない人間はいませんよね。社員の意欲が上がることで、さらにお客様が喜んでくれるという相乗効果が生まれるんです。

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(画像=髙橋明宏)

橋本:相乗効果で、よりよいサービスの提供ができるということですね。私も一つ気をつけていることがあります。全ての意見を拾っていると、結果的によくわからないものになってしまう危険があるので、話をまず全て受け止めたあと、その中から、どの機能がより多くの企業様から求められていて、利便性を感じていただける機能か検討するように心がけています。

中西:確かに、声を聞いて満足するのではなく、その後議論を重ねることが大切ですよね。当社も、今年が「進化変革」元年として、IT化や新しい事業領域への挑戦など様々な取り組みを行なっているのですが、その中でお客様の声を活かして、様々な進化・変革をさせていってます。また、30代の女性を中心に人気の「ヴァースクレイシア」という居住用物件があるのですが、これは、今は1人で住んで、将来的に結婚などで家族構成が変わったときに貸し出して自分の資産に変えるのもいいですよ、という物件です。自立している女性が多く、「結婚後も自分の資産を持っておきたい」というお声から生まれた物件です。

橋本:あとから投資用マンションに変更してもいいんですか?

中西:大丈夫です。現在、マンションをご購入されるお客様は不動産投資の初心者の方が多く、こういうご提案をするととても喜んでくださいます。売却すると値段が下がってしまう物件も、賃貸にすると家賃は上がっていく傾向がありますので、資産価値もあがります。ですから、お客様からは時間が経つにつれて「本当にこちらの会社を選んで良かった」「立地が良い物件を紹介してもらってよかった」と、喜んでいただけることが多いですね。

口コミの重要性が高まり、ごまかしの効かない世の中になってきた

中西:サービスの拡大に口コミは重要ですよね。口コミの重要性ってここ数年でさらに高まったと思いませんか?

橋本:それは私も実感しています。ここ数年でSNSが台頭してきて個人の発信力が強くなっていると感じます。それに対してメディアも耳を傾ける風潮が高まってきていますからね。

中西:僕も同感です。だから、ごまかしの効かない世の中になってきて、良い傾向だなと。逆にいうと炎上リスクはあるけど。最近は、意思決定をする個人の頭に情報があまりにも通り過ぎていて、その情報を全部ネットでまかなうことって結構大変だと思うんです。優れた情報を発信するメディアやインフルエンサーって大切なんだけど、全てが正しいわけではないから…。それより、口コミで紹介される情報の方が、信頼性が高いと思うんです。

橋本:やっぱりサービスって、人が作って、人が選んで、人が決めて世の中に広がっていくものですので。だからこそ誰が言っているのかが大事ですよね。

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(画像=髙橋明宏)

中西:そうなんですよ!そこで、うちは買ってくれた投資の経験者と直接話ができちゃうというサービスを導入する予定なんです。これで革命を起こしたいなと思っています。これって本当にお客様が満足していなかったらできない仕組みなのですが、うちはその点では自信を持ってできますので。「To C(投資)チャット on LINE」というシステムです。

橋本:顧客満足度が高いからこそできるサービスですね!ここまで中西さんのお話を伺ってきて、私もマンション購入にますます興味を持ってきました!

中西:もしマンションを購入したとして、橋本さんは一生そこに住む自信あります?

橋本:ないですね〜(笑)

中西:そうだよね(笑)だからこそ、その物件を賃貸として有効活用するという考え方は重要なんです。これからはますますライフスタイルが多様化する時代ですからね。

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(画像=髙橋明宏)

中西:さて、最後に今後のビジョンについてお話したいですね。我々は、中期ビジョンとしては、圧倒的な存在感を放つ収益不動産総合商社のリーディングカンパニーとなること、顧客価値・人材価値・利益創造力を最大化すること、進化・変革とサステナビリティの共存を推進することを掲げてます。長期ビジョンとしては、イノベーションを起こすのではなく、起こし続ける企業になることを掲げています。具体的には、投資用マンションだけではなく、様々な収益不動産への取組なども視野に入れています。100回チャレンジして1回成功するくらいの気持ちで邁進していきます!

橋本:弊社では、日本から世界に誇れる受付システムを提供することを目標に、さらに顧客満足度の高いシステムの開発を続けていきます。

中西:その着眼点は素晴らしいですね!お互いに頑張りましょう!

協力:ディライテッド株式会社