虫の声を聞いていると秋なんだと思うのですが、日中の日差しはまだまだ強く、暑い日が続いています。株式市場も出来高は少なく盛り上がりもないのですが、静かに上昇しているということで日経平均は7日連騰となりました。米国株が高いので本日もまたまた23,000円を目指すことになるのでしょうが、盛り上がらないことで抜けきれないという感じです。円安となったこともあり、買い気も出てきそうなのですが、米国との貿易摩擦問題がいよいよ日本の順番になってきそうで、そのあたりが懸念材料だと思います。

昨年10月の16連騰以来の連騰ですが、昨年の連騰時よりも「空売り」が積み上がっている銘柄が少なくなっています。ETF(上場投資信託)の信用取引の売り残高も増えてはいるのですが、大きく増えるということでもなく、昨年の状況とは少し違うような感じです。逆に言えばそれでもこれだけ強いということなのですから、まだまだ上昇が続くということもあるのかもしれませんが、目先的には上がり過ぎた銘柄も見られ、23,000円水準での利益確定売りはまだ続きそうな感じです。

本日の投資戦略

アルゴナビス清水の投資戦略
(画像=PIXTA)

引き続き23,000円を意識すると上値が重く、手仕舞い売りに押されるというパターンになっています。ただ、その割には値持ちが良く、昨年10月の16連騰以来の7日連騰となりました。何が買われているということでもなく、昨日は出遅れ銘柄の一角が買われたという感じで、うまく物色対象が入れ替わっているという感じです。

日経平均に影響の大きな銘柄が売られていたことで日経平均は小幅高にとどまりましたが、これまで売られていた銀行株なども買われ、売られ過ぎ銘柄の修正となった感じです。この流れが続くとこれまで日経平均先行型で戻してきたものが「全面高」というようになって逆に指数を押し上げるということもありそうです。

暴落懸念が薄れているという感じですが、引き続き売られ過ぎ銘柄の修正が続くものと思います。銀行株などのもう一段の上昇も期待され、まだ売られている建設株も見直し買いが入りそうです。引き続き小売り銘柄も注目です。

清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立(現・アルゴナビス)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。メールマガジンも配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。