原作者・真山仁さんのプロットにより、最終章は小説にはない“完全オリジナルストーリー”でおくる木曜ドラマ『ハゲタカ』(テレビ朝日)。9月6日(木)午後9:00より放送される第8話は「最終回拡大スペシャル」となるが、そのみどころを紹介していこう。

ハゲタカ
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「破壊と構築」をテーマとした『ハゲタカ』

木曜ドラマ『ハゲタカ』は、真山仁さんの経済小説『ハゲタカ』シリーズを原作としている。2007年にはNHKでテレビドラマ化され、全6話が放送。2009年には映画公開もされた人気作品だ。

小説ではバブル崩壊後の1997~2006年の日本が舞台であったが、今回のドラマでは原作にはない2018年へ舞台を移し、日本が誇る大企業の“崩壊”が描かれている。日本経済に大きな打撃を及ぼすかもしれない事態に、現代の鷲津がどのように関わり、手を下していくのか――。

真山さんによると、個人的なテーマとして「破壊と構築」をいつも考えているのだという。新しいことは、まず古いものを壊さないと始まらない。だからこそ真山さん自身も自分の在り方を壊し、鷲津としても壊すことの勇気を若い世代に教えていきたいとのこと。

さらに壊しただけでは終わらず、その先にあるもの。(ドラマ)最終章ではそれに辿りつけたとき、鷲津がどんな顔をしているのか楽しみだと真山さんは語っていた。

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第8話(最終回)のみどころ

データー改ざんや不正会計など、日本を代表する名門企業『帝都重工』は経営危機に陥っていた。その危機を救うため、鷲津政彦(綾野剛)は飯島亮介(小林薫)と芝野健夫(渡部篤郎)から救済買収を求める。だが『帝都重工』腐敗の裏に飯島の影を察知した鷲津は買収から一転、『サムライファンド』を辞め『帝都重工』の社長に就任した。

新しく社長となった鷲津は芝野を再生担当執行役員に据え、『帝都重工』は新体制となる。しかし、アジア各国の重工業メーカーが集まる会議が、松平貴子(沢尻エリカ)が社長を務める『日光みやびホテル』で開催されることに。飯島の差し金と察しつつも、その決定を受け入れた鷲津は社長就任記者会見の場で「『帝都重工』に革命をもたらす」と宣言する。

一方、『スペースフロンティア・ジャパン』の天宮光一(森崎ウィン)は、『帝都重工』からの契約解除により新スポンサー探しに奔走していた。見かねた広報担当の桜井加奈(青野楓)が鷲津を訪れると、「近いうちに伺う」と意味深な言葉を告げられる。

やがて鷲津は『帝都重工』子会社や関連会社の視察を開始。再生担当の芝野は、『帝都重工』の管理職への聞き取り調査のため面談を始めた。

『帝都重工』に革命をもたらすという鷲津。日本の未来のために『帝都重工』を守りたい芝野。そして『帝都重工』の腐敗を利用し、みずからの勢力を拡大しようとする飯島――。さまざまな人間の思惑が渦巻く中、鷲津、平成最後の戦いが始まる!

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スピルバーグに選ばれた若き俳優・森崎ウィンさん

宇宙開発に大きな夢を抱く若きベンチャー企業家・天宮光一を演じるのは、ハリウッドの巨匠であるスティーヴン・スピルバーグ監督に選ばれた森崎ウィンさんだ。

スピルバーグ監督の最新作『レディ・プレイヤー1』で森崎さんは、主要キャラであるサムライ好きの青年役でハリウッドデビューを果たしている。そんな森崎さんは今回の『ハゲタカ』は久しぶりの地上波ドラマ出演となった。

「10年以内にアカデミー賞を取る」ことを目標と語る森崎さん。その大きな目標に向け役者としての切磋琢磨するなか、宇宙への大きな夢を抱き事業に打ち込む天宮役は、現在28歳の森崎さんにとってまさに適役といえるだろう。

失われた20年――1990年代からの経済低迷期を表す言葉だが、鷲津は「平成という時代そのものが失われた30年」であると語っていた。2019年4月30日に「平成」が幕を閉じるが、私たちの“失われたもの”とは、このドラマのなかで見つけられるかもしれない。(ZUU online 編集部)