2018年9月12日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

明日13日(木)にBOE、ECB、TCMB(トルコ)の政策金利と声明発表が予定されており、米ドル/円は完全に蚊帳の外だ。この英欧土の政策金利発表の中でもっとも注目度が高いのがトルコの政策金利発表だろう。トルコの政策金利だが各社の予想がバラバラで0~750bp(17.25~24.75%)まで幅があり、とてもコンセンサスといえる状況ではない。発表後はかなり荒い値動きになることが予想される。

その他ブレグジット関連は一進一退。EUのバルニエ首席交渉官が「互いの要求は現実的であれば、6~8週間で合意成立が可能」との報道からEU離脱交渉の合意期待でポンド高に振れたが、英紙が「英当局はEUの前向きな声明を誤解している」と交渉進展に悲観的な内容が伝えられると反落。報道によって100pips前後振らされる展開が続いている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

トルコの政策金利の不透明感が強いため、銀行のスプレッドも相当広がることが予想されるほか、価格の提示が困難となる可能性もあり、最大級のリスク管理で臨む必要がある。また、政策金利発表直後のスピード勝負ではAIには勝てないため、もし取引をするのであれば第2波、第3波を狙っていくべきだろう。幅が広く状況が読みづらいが300~500bp前後の利上げが基準と考えたい。これ以上の大きな利上げ幅(500~750bp)であれば急騰する展開だ。そして、トルコ中銀が今後も利上げを実施する可能性を示唆すればマーケットの買い安心感が広がるだろう。一方利上げ幅(0~300bp)が期待より小さかっ場合の失望売りから15円割れも視野に入りそうだ。

ブレグジット関連は報道で一喜一憂している部分もあるが、基本的にEUサイドは態度を軟化させているように思える。ただEU側の報道が先行しているものの、英国政府側からの反応はない。英国政府も合意に向けて話し合いが続いているものの、離脱の手法を巡って与党内でも意見が分かれており、EUの政策寄りの案は大きな反発を招く可能性もある。英ポンドは引き続き乱高下しやすい状況と言えるだろう。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。