2018年1月に始まったつみたてNISAは、ノーロード、信託報酬は一定水準以下など長期投資に向いている投資信託がそろっており、元本割れのリスクはあるが初めて投資信託を始める人にも安心して投資できる商品が多いが、投資経験者でもしがちな勘違いを整理してみた。

勘違い1 別の金融機関に同時に開設することができる

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(画像=WAYHOME studio/Shutterstock.com)

NISA口座とつみたてNISA口座は同時に開設できず、どちらか片方しか口座開設ができない。

別々の金融機関でNISAとつみたてNISA口座を開設すれば大丈夫ではないか?と思われるかもしれないが、口座開設の時には税務署が必ず確認しているため、別々の金融機関でもNISAとつみたてNISA口座を同時に持つことはできない。

勘違い2 子供用につみたてNISAの口座を作ることができる

20年間非課税枠と聞いて、ぜひ子供用につみたてNISAを始めてみたいと思う人もいるだろう。残念ではあるが、つみたてNISAは1月1日時点で日本国内居住の20歳以上の人しか口座開設ができない。ただし子供用にはジュニアNISAが用意されているので、そちらを利用するようにしよう。

勘違い3 年間非課税枠は120万円

つみたてNISAの年間非課税枠は、120万円ではなく40万円である。通常のNISAが5年間非課税に対し、つみたてNISAは20年間非課税で運用することが可能である。なお40万円の非課税枠が使えなかった場合、翌年へ残りの非課税枠の振替はできない。

勘違い4 つみたてNISAで購入したETFの分配金を銀行口座で受領する

つみたてNISAにおいて分配金を非課税扱いにするためには、分配金の受け取り方法として株式数比例配分方式を選択することが必要だ。株式数比例配分方式とは、証券口座で分配金、配当などを受け取ることである。銀行口座で分配金を受領すること(登録配当金受領口座方式)を選択すると、非課税扱いにはならない。

勘違い5 つみたてNISAで毎月分配型のハイイールド投信を購入できる

つみたてNISAでは、高配当毎月分配型ハイイールド投資信託は購入できない。つみたてNISAの対象となる投資信託は、手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されている。毎月分配型ハイイールド投資信託は、通常のNISAなら購入可能である。

勘違い6 つみたてNISAで米国株や日本株を積み立てられる

つみたてNISAの口座では、株式の購入はできない。つみたてNISAは長期・積立・分散投資に向いている投資信託、ETFなど金融庁に届出された商品だけを対象にしている。米国株や日本株の積立は、通常のNISA口座でなら可能である。

勘違い7 つみたてNISAの口座は年度の途中で変えられる

つみたてNISA口座の変更は年単位でなら可能だ。特に1月1日~9月30日までにつみたてNISAで購入した商品がある場合、つみたてNISAの口座を年度の途中で変えることはできない。10月1日以降ならば購入していても変更をすることはできるが、それまでつみたてNISA口座で商品を購入していた場合は、その商品を新たなつみたてNISAの口座に移管することはできない。

よりつみたてNISAの情報が欲しい人のために

もっとつみたてNISAについて知りたい人は、金融庁のサイトを確認したり、不定期に開催される金融庁主催のイベント「つみたてNISA Meetup」に足を運んだりするといいだろう。直接制度設計をした金融庁の人間の話を聞けるまたとない機会である。これからも商品ラインアップが増えそうなつみたてNISAを上手に活用して、長期の資産形成に役立てていきたいものだ。

文・木暮ゆい(フリーライター)/MONEY TIMES

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