大衆が買う前に買うには?
雑誌や新聞などで好材料が出て株を買ったのに、高値づかみになり塩漬けになってしまったというご経験のある方、いらっしゃるのではないでしょうか。
株投資のセオリーは「大衆が買う前に買う」というのが鉄則ですが、「□〇社50%増益!」などの文字を目にすると、どうしても買いたくなってしまいます。しかし、大々的に報道された後に株を買い付けても、すでに上昇した後というケースがほとんどです。
上昇前の銘柄情報をつかむことが難しい投資経験の浅い個人投資家は、買われる前に銘柄を仕込むことはできるのでしょうか。
答えは「イエス」です。経験の浅い人でも誰でも、プロの投資家よりも早く情報を手に入れることは可能です。そのヒントは日常生活の中にあります。まず、この後の文章を読んでみてください。
__ある家族の何気ない一日の朝のお話しです。まず1番に、お母さんが起床し、象印製のポットのスイッチを入れ、お湯を沸かします。そして、三菱製の冷蔵庫を開け、昨日イオンで買った食材を取り出し、調理をします。卵焼きの味付けは味の素のアジシオです。 パンが焼き上がったころ、子供とお父さんが起床してきたので、雪印のバターをとアヲハタのジャムを取り出し、子供には明治のおいしい牛乳、お父さん、お母さんはKEY COFFEEのドリップコーヒーを飲みました。
食事を終え、お父さんは洋服の青山で買ったスーツを着てREGALの靴を履き、SEIKOの時計を着けて出かけようとすると、しまむらで買った洋服に着替えたお母さんが「忘れ物! 携帯!」とKDDIで契約しているソニーのエクスペリアを持ってきてくれました。
そして、お父さんはトヨタの車に乗って、駅に向かいました。駅の構内に入り東芝製の自動改札機を通ると、川崎重工製の電車が来ました。ナブテスコ製ドア開閉装置が付いた自動ドアが開いて、電車に乗り込みました。お父さんはいつも1番に会社に来て、SECOMのセキュリティー解除を行います。他の社員が来る前に、ダイキンのエアコンを入れて、部屋を涼しくしてあげます。__
わざとらしく書いたのですが、この文章の中にどれだけの上場企業が入っているでしょうか。全部で20社あります。お分かりになったでしょうか。日常生活の中で、上場企業と接する機会は非常に多いのです。そして企業の商品を評価するのは「消費者」です。消費者はいち早くその会社の商品、製品の良し悪しを判断することができます。商品を使ってみて「いいな」と感じれば、その会社の株の値動きに注目していけばいいのです。
例えば、ユニクロに買い物に行き、そこで、新商品のシャツを買ったとします。その商品が気に入ったので、1週間後にまた買いにいくと、今度は売り切れていました。どうしても欲しいので、また翌週行くと、今度は「入荷待ち」になっていました。
そこで「ユニクロの新商品がバカ売れしている」ということに気づきます。ということは、今期のファーストリテイリング(ユニクロの運営会社)の決算はよさそうだなとイメージすることができます。日常生活で自身が「いい!」と思った商品やサービスについて調べてみてください。どこかに上場企業が隠れていると思います。
消費者の感想は「最速の情報」です。いち早く気付くことができる人は、新聞、雑誌、アナリストのレポートで好決算のニュースが出るよりも早くお宝情報を得られるのです。 こう考えると、消費者みんなが投資家になることができるのです。誰しもが最強のツールを持っているので、これを使わない手はないでしょう。
いかがでしょうか。普段、何気なく目にしていることや感じていることが、いかに役に立つかがお分かりでしょうか。皆さんも今日から「お宝探し」をしてみませんか?
トウシル編集チーム
楽天証券
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