米国株,見通し
(画像=ZUU online)

その日、ウォール街のランチタイムは慌ただしかった。NYダウ平均株価が連日の最高値を更新する中、筆者は取材先のファンドマネジャーと「フードスタンド」で待ち合わせをした。「フードスタンド」とは、日本の立ち食い蕎麦屋のような存在である。街角のいたるところに様々な国の料理を扱うフードスタンドがあり、地元の金融関係者のみならず観光客の人気も高い。

ところが、連日の株価上昇でそのファンドマネジャーも上機嫌かと思いきや、意外と表情が冴えない。彼の性格もあるのだろうが、毎日マーケットと向き合っていると相場が上がっても下がっても悩みが尽きないのだろう。そもそも相場の悩みの99.99%は「悩んでも意味のない」ことが多いと思うのだが……。とはいえ、彼の見立てを笑い飛ばすことはできない。1カ月後には米中間選挙が迫っているし、原油高やトランプ大統領のロシア疑惑、脱税疑惑、米中貿易戦争と波乱要因が底流しているからだ。今回は米国株の高値更新の陰で警戒される「11月危機説」についてリポートしたい。