日々多忙な開業医の中には、「別荘でゆっくりしたい」という人も少なくないでしょう。ただ単に旅行に行くのではなく、自宅とは別の場所に自分のこだわりの空間を作って非日常を楽しむことは、ある意味でロマンともいえます。別荘はメリットも多い一方、家屋のメンテナンスなど注意点も少なくありません。

別荘のメリット1 自分のこだわりの空間ができる

veranda
(写真=alexandre zveiger/Shutterstock.com)

都会の喧噪から逃れ、大自然の中でゆっくりとした時間を過ごせることは、多くの人が別荘を購入する理由でしょう。そして、自分のこだわりの空間を作れるのも別荘の魅力です。

大きなスクリーンと音響設備を備えた専用の映画鑑賞ルーム、美術品や骨董品などを並べたアトリエ、本に囲まれた本人専用の書斎、愛車を心ゆくまで眺めることができる広いガレージ……。庭にバーベキュー専用の離れを建て、BBQグッズを揃えておくこともできます。

別荘のメリット2 気の置けない仲間と交流を深められる

同業の医師仲間でも、ゴルフなどの趣味仲間でも構いません。気の置けない仲間と交流を深めるには、別荘のようなプライベートでクローズドな空間が最適です。

一緒に旅行をしたり、自宅に招いたりする手もありますが、旅行は手配が大変ですし、自宅では同居の家族に気を遣う必要があるうえに、非日常感を感じることもできません。

やはり別荘という非日常空間で、誰にも邪魔されずに同じ時間を過ごすことが、交流を一層深めるためには効果的です。こうした空間でできた交友関係は損得抜きに楽しく、ストレス解消、息抜きとなるでしょう。何か困ったときに助けてくれる、かけがえのない友人関係の構築にも寄与することでしょう。

別荘のメリット3 ペットとも旅行できる

旅行にペットを連れていきたいと思っても、同伴が認められているところばかりではありません。飼っている動物によっては、ペットホテルに預けるとストレスを与えてしまうかもしれません。

しかし購入した別荘に泊まる場合には、いつでも気軽にペットを連れて行くことができます。別荘地は景観が良い場所にあることが多いので、例えば犬などを飼っている場合などは、散歩をしながら季節ごとの自然の美しさを一緒に味わうのもいいでしょう。

別荘のメリット3 リタイア後にスローライフも実践できる

退職後を静かな場所で暮らすことも、一つの憧れではないでしょうか。リタイア後、別荘を生活の拠点にすることもきます。

また住める場所を2つ所有しておくと、自宅が災害に見舞われたときなどでも心強いものです。地震や津波、火災、洪水などが起きた場合、別荘があればいつでもそちらに引越することができます。

家屋の管理・メンテナンスが必要

一方で、注意しておきたいことには何があるでしょうか。

別荘は言うまでもなく管理や修繕が必要です。管理人を雇ったり管理会社に委託したりすることになるでしょうが、それなりに費用がかかります。

修繕に関しては、特に自然豊かな場所、例えば海風が当たるエリアや虫の多い山林に近いところなら、家屋の劣化が早い場合があります。雪が降るエリアなら雪の重みによる屋根のゆがみやサビ、水道管の凍結によるトラブルが起きる場合もあります。

人が住まない家は、傷みが早いと言われています。家屋の劣化に気付かないまま放っておくと、初期に修繕するよりも費用が高くなってしまいます。

長期間留守にする別荘で怖いのが空き巣です。金目のものを置いておかないことや、場合によってはセキュリティ会社に依頼をして監視システムを導入するのも一つの方法です。こちらも費用がかかりますが、ホームセキュリティサービスを月額1万円未満で提供している企業もあります。

買わなくても借りるという選択肢も?

ローンの支払い回数や金額によっても異なりますが、無理して購入しても返済が重くのしかかるだけです。

資産にもなるので、レンタルや民泊事業で運用する方法もあります。一方で目的が別荘に泊まるだけなら、賃貸型の別荘を利用するという選択肢もあります。

別荘の利用頻度や目的などに合わせ、購入にこだわらずにどんな方法が良いか決めるべきでしょう。

別荘はいくらで買える?管理委託費の相場は?

価格は一般的な不動産と同様、築年数や立地、眺望、外観・内装、設備などによってさまざまです。

別荘地として広く知られる長野県・軽井沢では、2,000万~3,000万円ほどが最も多い価格帯ですが、1億円を超える高額物件や、4~5億円の物件も売りに出されています。一方、海も堪能できる千葉県・房総では価格帯は軽井沢を比べると低めで、500万~1億5,000万円で購入できる物件も多数あります。

別荘の管理を専門企業などに委託する場合、プランによって月額費用は異なります。月額6,000円ほどの安価なプランから5万円というものまであります。巡回パトロールや草刈り・落ち葉清掃、定期的な室内掃除など、どれだけ委託するかによって価格に違いが出てきます。プランによっては、ホテルのように別荘へのチェックイン・チェックアウト時に専任のコンシェルジュサービスがあるものもあります。

別荘をせっかく購入したのに後悔しないためにも

管理や支払いの面で苦労が多いと、別荘を購入しても後悔をしてしまうことになりかねません。別荘を購入する前には必ず、中長期的にどのような修繕などが必要になるのか、それによる出費はいくらくらいなのか、清掃やメンテナンスを頼める管理会社がそもそもあるのかどうかも確認しておきましょう。(d.folio編集部 / d.folio