こんにちは。
相続税専門の税理士法人トゥモローズ法人です。
東京の桜も満開を迎え、各所でお花見がピークとなっていますが、賑わいの中で外国の方々がお酒を楽しんでいる姿を多く見かけました。
日本の風物詩が外国人観光客に喜ばれるのを見るとなんだか誇らしい気持ちになってきます。
ということで、今回はそんな外国人観光客の方々も多く利用している「Air bnb」などの民泊に係る税金について書いていきたいと思います。
民泊は、自宅の空き室を利用して外国人観光客などに宿泊してもらうサービスです。
手軽に日本に泊まりたい外国人観光客からの需要と、貸し手である空き室を抱えた個人(基本的にC to C取引前提で記載していきます)からの供給とがマッチしており、また、日本政府としても2020年のオリンピックに向けての宿泊先確保のため旅館業法などの規制緩和を行っている状況です。
貸し手である個人は、自宅や空き室を利用させて宿泊費を受け取るわけですが、この取引は税金面からはどの様な論点が考えられるのでしょうか。
売上の側面からは、個人の所得税、消費税の取り扱いがどの様になるのか、
資産としての側面からは、住宅ローン控除の適用はどの様になるか、また、小規模宅地等の特例は受けられるのかなどの論点があります。
1.所得税
自宅などの不動産所得に関係しない空き室を民泊として得た所得は、基本的に雑所得に該当すると考えられますので、サイドビジネスとして20万円を超える所得がある場合には、確定申告を行う必要があります。
しかし、サイドビジネスの範疇を超えるような(民泊の所得だけで生活を維持できるような)取引規模である場合には、事業所得に該当する可能性が高いものと考えられます。
なお、もともと不動産投資用の賃貸物件を持っていて、空き物件を民泊に使用するような場合には、不動産所得とすることも考えられます(この辺りは今後、詳しい取り扱いが出てくるのかなと思っています)。
2. 消費税
4月1日から、民泊は各自治体の認可制の上で、旅館業法において簡易宿所として位置づけられました。
このことから、民泊は消費税法上の非課税である「住宅の貸付」からは除外されるため、民泊の収入は消費税が課せられる課税売上に該当します。
3. 住宅ローン控除
住宅ローン控除の適用を受けている自宅を民泊として活用する際には、民泊によって住宅ローン控除の適用が受けられなくなってしまう可能性がありますので要注意です。
住宅ローン控除の要件は、「自己の居住用の家屋を取得し、その適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること」が要件となっていますので、自宅を民泊として貸出した場合には、この要件を満たさなくなる恐れがあります。
1週間程度の貸出しですぐに認められないということはなさそうですが、どの程度までの貸出しで適用が受けられなくなるのか、今後の実例によって線引きがされてくるかと思います。
4. 小規模宅地等の特例
小規模宅地等の減額の特例については、判断が難しい論点となりますが、結論からいうと上記1で雑所得に該当した場合には、適用ができないと考えられます。
一方で、事業所得に該当してくると、「特定事業用」として80%減額、不動産所得に該当すると「貸付事業用」として50%減額の適用ができることとなります。
この判断のポイントは、こちらの記事でまとめていますので、ご一読をしてみてください。(提供:税理士法人トゥモローズ)