杭州海康威視数字技術(002415、深センA中小企業板)は、監視カメラの世界トップメーカーだ。監視カメラの生産台数では6年連続で世界第一位、2016年の市場シェアは21.4%を誇る。カメラをコア製品として、総合的なモノのインターネット(IoT)に関するソリューションを提供している。
国内にとどまらず150か国以上で販売実績
映像、音声などのビッグデータ保存、映像、音声の解析、ビデオ、画像の処理や、クラウドコンピューティング、深層学習などに関する先端技術を有しており、公安、交通、司法、文化・教育・衛生、金融、エネルギー、スマートシティなどの関連機関、企業に対して、専門化、細分化された製品、サービスを提供している。こうした技術を応用して、スマートホーム、工業オートメーション、自動車電子部品などの分野でも製品、サービスを提供している。
たとえば、G20杭州サミット、北京オリンピック、上海万博、APEC会議、オランダアムステルダムやミャンマーのスマート交通、デンマーク空港などにおいて、同社の製品・サービスが利用されており、国内にとどまらず150か国以上で販売実績がある。
2017年末現在、従業員数は26,000人。この内半分以上が研究、技術サービスに従事しており、毎年売上高の7~8%程度を研究開発費に当てている。杭州を中心として、北京、上海、重慶、武漢、新疆、カナダ・モントリオール、アメリカ・シリコンバレー、イギリス・リバプールなどに研究センターを置いている。
同社の設立は2001年11月。浙江海康信息技術股フェン有限公司が255万元、香港籍の龔虹嘉が245万元を出資する形で設立された。前者は、軍事工業に属する中央系国有企業の中電海康集団有限公司の傘下企業。グループ企業である電子情報産業のコア技術を研究する第52研究所が実質的な事業の主体となっている。一方、後者はエンジェル投資家であり、同社の副董事長である。1994年ラジオ製造の徳生公司を創業。その後、15社の企業を創業している。この内の一つである亜信科技は2000年にNASDAQ市場に公開している。ただし、2014年にプライベート化して現在は公開廃止となっている。