投資をはじめたいけど、きっかけがつかめない……そんな若い世代のための記事です。ビジネスマンを対象にした調査では、20代、30代の多くがすでに投資をしているという結果になりました。加えて、投資には「早くはじめるほど有利になる」という側面もあります。先延ばしにせず、今ここで投資をはじめる理由について考えていきましょう。
男性だけでなく、女性の投資経験の割合も高い
最近では、若いビジネスマンも資産形成に積極的と言われますが、実際にどれくらいの割合が投資をしているのでしょうか。金融庁の「若年層を中心とした個人による投資の現状とNISAの利用促進に向けた課題に関する調査」では「投資経験あり」と答えた方の割合は次のようになっています。
〈男性〉
・20代 21.9%
・30代 41.2%
〈女性〉
・20代 8.7%
・30代 16.2%
出所:金融庁「若年層を中心とした個人による投資の現状とNISAの利用促進に向けた課題に関する調査」報告書
男性で見てみると、20代の約5人に1人は投資をしています。30代ではさらに割合が伸び、4割以上に投資経験があります。女性で見ると、20代の割合は8.7%と低いですが、30代に入ると2倍に伸び、16%になります。
他の世代とも比較してみましょう。40代の投資経験の割合は次のようになっています。
・男性 42.8%
・女性 26.2%
男性に関しては30代と40代で投資をしている人の割合はほぼ変わりません。男性は30代から投資を始める人が多いようです。
ちなみに、同調査の「どのようなお金の不安があるか」という設問に対しては、30代の高い割合が「老後の生活資金」のためと答えています(男性約35%・女性51%)。若い世代が投資をするモチベーションに「老後の生活資金」があることがわかります。
なぜ、投資を早くはじめた方が有利になるのか?
前項の調査では、「経験はないが、今後(投資を)はじめたい)」割合が、20代、30代ともに約2割いる部分も見逃せません(男女共通の傾向)。こういった方々がすぐに投資に着手しない理由はさまざまでしょう。たとえば、「今は投資に回す余力がない」「投資をする時間や知識がない」あるいは、「どの投資を選択していいかわからない」などが考えられます。
いずれにしても、投資を先延ばしにしている理由は「老後はまだ先のこと」という感覚が少なからずあるからでしょう。たしかに20代、30代からすると、老後は数十年後という先のことかもしれません。しかし、投資には「早くはじめるほど有利」な側面があることも忘れてはいけません。
投資を早くはじめた方がよい理由には「複利」があります。複利とは、資産運用によって生まれた利子や利益を元金に組み込むことで、さらに利益を増やす流れのことです。長期間、複利を続けることで資産を雪だるま式に増やすこともできます。
雪だるまは、同じ体力、同じ雪の量の環境なら、早くつくりはじめた方がより大きなものをつくれます。投資もまったく同じです。条件が同じなら、早くはじめた方がより大きな資産をつくれる可能性があるのです。
老後資金をつくるには数十年のスパンが必要
最後に、具体的に「老後とはいつからなのか?」を確認したいと思います。老後の年齢を規定するには、肉体的な衰えや健康面での不安など、さまざまな切り口があるでしょう。ここでは「資産の流れ」で老後の年齢を考えていきます。
公益財団法人・生命保険文化センターの「老後資金を使いはじめる年齢」の調査では、「公的年金や退職金以外に準備した資金を生活費として使いはじめる年齢を老後生活の開始時期とした場合、何歳頃からと考えているのか」を調査しており、結果は平均65.1歳と報告されています。つまり、このあたりで大半の方がリタイヤする、あるいは、働き続けても収入が激減することを意味しています。合わせて、それまでストックしていた老後資金に手をつけるということは、公的年金だけでは生活できないことを表します。一般的にこの老後資金として必要な額は、数千万円と言われます。
ビジネスマンにとって、数千万円の老後資金を5年、10年の短いスパンで用意できる人は少数といえます。老後はまだ先のようですが、数十年先を見据えて若いうちからコツコツ準備しておくべきです。そして、その時に有効な手段が投資なのです。
投資をはじめる時に大事なことは、いくつかの投資を組み合わせてリスク回避をすることです。ひとつの投資しか選択していなければ、損失が出た時に資産が目減りします。複数の投資を選択していれば、ひとつの投資で損失が出ても、他の投資でリカバリーすることも可能です。
株式投資や投資信託などは自分の預貯金から投資資金を捻出して運用します。それと組み合わせたいのが不動産投資です。不動産投資は1年、2年などの短期で大きな利益は見込めませんが、長期で不動産という資産が手に入ります。また株式投資や投資信託と異なり、資金の大半を自己資金ではなく、他人資本(金融機関融資)から捻出可能です。
株式投資や投資信託など短期、中期で利益を狙い、自己資金で運用するペーパーアセットと長期で資産形成し、他人資本で投資する不動産投資は性質が異なりますので、どちらか一方に取り組むのではなく、ポートフォリオで考えるようにするこが重要といえます。(提供:アセットONLINE)
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