何かとお金や手間がかかる子育て。育児支援や教育支援も充実してきているが、実はしっかり把握していない……という人もいるのでは?今子供がいる人も、これから子供を持つ人も、知っておくと役に立つ8つの公的支援を紹介しよう。

出産育児一時金(家族出産育児一時金) 1児につき42万円を支給

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(画像=George Rudy/Shutterstock.com)

健康保険の被保険者が出産した際(妊娠85日以上であれば死産・流産を含む)、1児に対して出産育児一時金42万円が支給される(産科医療補償制度に加入していない医療機関で出産した場合は40万4,000円)。出産にかかる経済的負担を軽減できる。

出産手当金 出産で休業した時の報酬を一部補償

国保を除く健康保険の被保険者が出産のため会社を休み、報酬を受けられない場合にもらえる手当金で、1日あたりの支給額は標準報酬日額の3分の2相当額だ。基本的に出産の42日前から出産の翌日以後56日目までで、会社を休んだ期間を対象としている。

幼児保育・教育に対する補助 自治体によっては家庭への助成も

現在、国は保育園や幼稚園の運営などに国が補助や助成を行っている。2019年10月に3歳から5歳までの子供たちの幼稚園、保育所、認定こども園の利用費用を無償化することを目指すと発表した。

また国以外でも、自治体によっては幼児を持つ家庭に対し、補助金を支給しているところもある。例えば東京の武蔵野市では、無認可幼児施設に通う幼児1人につき月額5,000円の保育料補助金を交付している。自治体によって幼児保育・教育に対する補助の有無や内容は異なるので、在住自治体のホームページなどで確認しておこう。

児童手当 中学生以下の子供を持つ世帯を対象に一律支給される手当

中学生以下の子供を持つ世帯に、一律で支給される「児童手当」。所得制限や、子供の年齢などによって手当の金額が変わる。

所得制限は、扶養親族等がいない場合は所得額622万円、扶養親族等が1人いる場合は660万円、2人いる場合は698万円と決められている。子どもを養育している父母などのうち、所得の高いほうが対象だ。

所得制限以下で3歳未満がいる家庭は一律1万5,000円、3歳から小学校修了まで第1子・第2子が1万円、第3子が1万5,000円、中学生は一律1万円。所得制限以上の家庭はいずれも5,000円となる。受給するには、居住している市区町村への申請が必要となる。

児童扶養手当 ひとり親家庭を支援する仕組み

生活の安定と自立を助け、児童の福祉の増進を図るための制度で、ひとり親家庭を対象に、子どもが18歳に達する年度まで手当が支給される国の制度だ。

月額は子どもの数や所得額に応じて定められている。例えば児童1人の満額支給は月4万2,500円、2人目は1万40円、3人目以降は1人につき6,020円となっている。

放課後児童健全育成事業 共働き家庭の強い味方

保護者が仕事などで昼間家庭にいない小学校就学児童に対し、授業終了後に空き教室や児童館などを利用して適切な遊びや生活の場を提供する仕組みだ。市区町村や社会福祉法人、父母会など様々な団体が運営しており、自治体の担当課や児童館などに申込むことで利用できる。

2015年の児童福祉法改正から、対象年齢がおおむね10歳未満から小学6年生まで拡大されている。共働きで留守にしがちな家庭の強い味方だ。

子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業) 親同士の助け合いをマッチング

アドバイザーが児童の預かりの援助を受けたい人と、援助したい人の連絡・調整をしてくれるサポートシステムのことだ。乳幼児や小学生の児童を持つ人を会員として、会員同士の助け合いをマッチングする。

保育施設までの送迎はもちろん、親が買い物や外出、冠婚葬祭で不在の時など、さまざまな場面で子どもの一時預かりに対応している。市区町村のほか、NPO法人など民間組織でも同様の事業を運営している。

医療費助成 子どもが怪我・病気をした時はまず確認を

子どもが怪我や病気になり医療機関で受診した際に、都道府県と市区町村から受給できる助成のことだ。現在、乳幼児(0歳〜満1歳未満)に関しては、すべての都道府県及び市区町村が医療費の助成を実施している。

乳幼児以外の場合は、3歳未満の子供の通院のみ助成している都道府県から、18歳の子供の通院・入院を助成している都道府県まで、自治体によって助成の対象・内容が異なる。医療費の自己負担金額や所得制限の有無なども市区町村によって異なるので、在住の自治体へ確認が必要だ。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)/MONEY TIMES

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