相続が起きた際に、相続税のことを忘れていたとしても、税務署から送られてくる「相続税についてのお尋ね」で自らの相続税の納税の可能性を知ることがあります。
なぜ税務署は「相続税についてのお尋ね」の送り先が分かるの?
相続が起きると、通常1週間以内に市区町村役場に死亡届を提出しますが、この死亡届が提出されたら、市区町村役場から税務署へその相続発生の事実を通知することになっています。
この死亡届の連絡を受けた税務署は、名前で対象者を検索し、過去の所得税の確定申告書状況や、勤め先からの給料額、不動産譲渡の申告状況等を総合的に確認した上で、税務署独自のシステムで相続税がかかる可能性が高いと判断した場合に、「相続税についてのお尋ね」という封筒を送付することにしています。
送られてきた相続人としては、税務署はどこから相続発生の事実等を知ったのかと疑問に思うことも多くあると思いますが、カラクリとしては上述の通り、市区町村と税務署が連携しているからなのです。
「相続税についてのお尋ね」には必ず返事をしないといけないか?
相続税についてのお尋ねが届いた場合でも、すでに相続税申告書を提出することが決まっている場合には、わざわざこの相続税についてのお尋ねに対して返信する必要はありません。この相続税のお尋ねに返信することが必要な人は、「相続税の基礎控除以下(3000万円+法定相続人の人数×600万円)」の財産をお持ちの方です。
これは、相続税の基礎控除以下の財産額であれば、税務署に相続税申告書を提出することはないため、税務署としても故人の財産額を確認しておく必要があるからです。
「相続税についてのお尋ね」の書き方はシンプル
この相続税についてのお尋ねの書式は簡素化されており、シンプルな内容です。不動産についても評価方法が分からなければ、申告レベルで評価する必要はなく、固定資産税評価額や所在地等の概算情報が分かれば大丈夫です。その他の預貯金等の財産についても同様です。つまりは、故人の財産総額は基礎控除以下だから相続税申告をしないということを税務署に分かってもらえる内容であればいいということです。
(提供:チェスターNEWS)