資産運用の手段として人気の高いNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)を始めるためには、証券会社に口座を開設する必要がある。一般的な証券口座は複数の証券会社に開設することが可能だが、実はNISA口座は1人につき1つの証券会社でしか開設できない。証券会社毎にサービス内容や各種手数料も違うため、1つの口座しか開設できないとあれば証券各社のサービス内容を吟味したいところだ。

NISA開設口座数No.1 野村證券

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(画像=Hit1912/Shutterstock.com)

証券最大手の野村證券はNISA口座開設数が証券業界No.1であり、多くの人がNISAを利用している。対面系証券会社であることもあり、営業マンへの注文は手数料が比較的高い。インターネット口座でもNISAでの売買手数料は必要だが、野村證券独自の調査レポートなどの豊富な投資情報は魅力だ。

1万円から1,000円単位で個別株に投資 SMBC日興証券

SMBC日興証券では1万円から1,000円単位で個別株を購入できる「キンカブ」(金額・株数指定取引)を提供しており、NISA口座でも利用が可能だ。同制度を活用すれば、毎年120万円の非課税枠を余すことなく利用することができる。ただし対面系証券ということもあり、NISAでの売買には手数料が必要だ。

夜間取引も可能 SBI証券

ネット証券最大手のSBI証券では、NISA口座に関する日本株の売買手数料を無料にしている。その他にも、1,200本を超えるノーロード投信の取扱手数料や外国株・海外ETFの買付手数料も無料だ。朝8:20から深夜23:59まで株式の売買が可能な夜間PTS取引も利用できたりなど、幅広いサービスが魅力だ。

ほとんどの投資信託手数料が無料 松井証券

松井証券ではNISA口座での日本株売買手数料はもちろんのこと、ブルベア型の投信を除くすべての投資信託の売買手数料も無料だ。NISA口座を利用しない場合でも、日本株の約定代金が10万円まで無料という手数料体系もあり、少額投資で手数料を節約したい人にはおすすめの証券会社だ。

海外株式手数料実質無料 マネックス証券

マネックス証券では一部を除くほとんどの投資信託が100円から購入でき、国際分散投資を低額で行うことができる。NISA口座では、国内株式売買手数料が無料なだけでなく、米国株・中国株の買付時国内手数料を全額キャッシュバックすることで実質無料としている。米国株や中国株への投資を考えている人にはおすすめだ。

楽天スーパーポイントでNISAを利用 楽天証券

楽天証券では、NISAでの国内株式の売買手数料だけでなく、海外ETF(米国ETF・中国ETF・シンガポールETF)の買付手数料も無料だ。また、楽天スーパーポイントを利用してNISA口座で投資信託を購入することもできる。楽天スーパーポイントが貯まっている人は、同社でNISAを活用した投資を検討してはいかがだろうか。

独自の割引が豊富 カブドットコム証券

カブドットコム証券では、NISAでの日本株取引手数料がネット注文・電話注文のどちらでも無料だ。同社でNISA口座を開設した場合、NISA以外の一般・特定口座での株式売買手数料が5%割引となる「NISA割」が適用される。NISA割以外にも50歳以上が対象のシニア割、女性が対象の女子割、同社の株主が対象の株主優待による割引など、独自の売買手数料割引サービスも豊富だ。

証券各社ではNISA制度を顧客獲得の絶好の機会と捉え、様々なサービスを実施している。NISAの制度自体も税制面でかなりお得なサービスであるが、証券会社のサービスも併せて利用することでさらにお得にNISAを活用することができる。1人につき1口座しか利用できないNISA口座、ぜひ各証券会社のサービスを吟味して口座を開設していただきたい。

文・右田創一朗(元証券マンのフリーライター)/MONEY TIMES

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