MMD研究所は、マカフィー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:山野 修)と共同で、2018年10月3日~10月5日の期間でスマートフォンを利用する20歳~69歳の男女1,000人を対象に調査を実施いたしました。
現在、IoT(Internet of Things)は「モノのインターネット」、つまり、物とインターネットを繋げるという意味合いで訳されています。その代表格とも言えるスマートスピーカーですが、本調査とは別に当社が2018年7月31日~8月1日の期間で実施した調査では、"利用経験あり"が4.2%、"利用検討"も同じく4.2%と、利用に関する項目は5%に満たない結果となりました。
これにより生活者が求めているIoTとは「モノ」だけではなく、インターネットによって出来るようになる「コト」が重要なのではないか? そんな仮説から、『「モノ・コト」インターネットがもたらすライフスタイルの変化 日本におけるIoT意識調査』と題して、今回の調査を実施いたしました。
IoTやITデバイスの利用状況、生活に取り入れたいこと、取り入れない理由、IoTへの期待やイメージなどを聞き、生活者の意識と実態を探っています。現状は利用経験が少ないIoTですが、実は「生活に取り入れたい」と思っている人が多いことが調査結果から読み取ることができ、「モノとコトのインターネット」によって生まれるライフスタイルの変化が見えてきました。
調査結果をご覧ください。
次回は調査結果から1歩踏み込んだコラムの公開なども予定しております。ご期待ください。
【調査結果サマリー】
【 IoTの利用状況 】
■ IoTやITデバイスで行ったことがあることで最も利用経験が多かったのは「書籍、雑貨の購入」、
家電のIoT操作の利用経験は2%に満たない
【 生活に取り入れたいコト 】
■ 取り入れたいIoTは「荷物の到着日の変更」、「エアコンのon/offや消し忘れの通知」、「鍵関連」
■ 「荷物の到着日の変更」は67.6%が自宅で行いたいと回答、「エアコンのon/offや消し忘れの通知」は70.5%、「鍵関連」は66.9%が外出先で行いたいと回答
■ 「健康」「子ども」「仕事」に関するIoT、取り入れたいのは「体重、体脂肪計の確認、管理」、「子どもの居場所確認」、「業務に関するメールの確認」「子どもの居場所確認」は取り入れたい55.6%に対して利用3.1%で52.5ポイントの差
【 暮らしの不満とIoTを取り入れない理由 】
■ IoTを取り入れない理由は「費用がかかる」(37.3%)、「設定が面倒」(36.1%)、「やり方を調べるのが面倒」(26.8%)、男女の理由でもっとも差が開いたのが「やり方がわからない」
■ 暮らしに対する不満は「自分の趣味に使える時間」(22.8%)、「自宅の防犯対策」(22.4%)、「病院やレストラン、施設などへの予約方法や待ち状況の確認」(18.6%)20代~40代は「自分の趣味に使える時間」、50代~60代は「自宅の防犯対策」が最も大きな不満
【 IoTに対する期待やイメージ 】
■ IoTに対するイメージは「生活の利便性が向上しそう」(46.4%)、「時間を効率的に使えそう」(37.3%)、「楽に暮らせそう」(35.7%)、上位はポジティブなイメージが占める
IoTやITデバイスで行ったことがあることで最も利用経験が多かったのは「書籍、雑貨の購入」、家電のIoT操作の利用経験は2%に満たない
スマートフォンを利用している20歳~69歳の男女1,000人を対象に生活におけるIoTやITデバイスを利用して行っていることについて聞いたところ(複数回答可)、最も利用経験が多かったのは「書籍、雑貨の購入」(45.0%)、次いで「日用品の購入」(43.2%)、「洋服の購入」(38.6%)となった。ECサイトや単純な視聴を除いた家電の操作や自宅の防犯、家事での利用はすべて2%未満となった。
生活に取り入れたいIoTは「荷物の到着日の変更」、「エアコンのon/offや消し忘れの通知」、「鍵関連」
続いて、同じ項目でそれぞれの未利用者に対して、生活に取り入れたいかどうか聞いたところ、取り入れたいと回答された上位3つは「荷物の到着日の変更(再配達依頼)」(49.1%)、次いで「エアコンのon/offや消し忘れの通知」(43.6%)、「鍵関連」(43.6%)となった。それぞれの実際の利用との差は「荷物の到着日の変更」が利用35.2%に対して49.1%で13.9ポイントの差、「エアコンのon/offや消し忘れの通知」が利用1.2%に対して43.6%で42.4ポイントの差、「鍵関連」が利用1.5%に対して43.6%で42.1ポイントの差となり、実際の利用とのギャップが明らかになった。
「荷物の到着日の変更」は67.6%が自宅で行いたいと回答、「エアコンのon/offや消し忘れの通知」は70.5%、「鍵関連」は66.9%が外出先で行いたいと回答
さらに各項目を「生活に取り入れたい」と回答した人に対して、どこで行いたいか聞いたところ、生活に取り入れたいと回答された上位5項目のうち、『外出先で行いたい』という回答が過半数を超えたのは「エアコンのon/offや消し忘れの通知」(70.5%)、「鍵関連」(66.9%)、「部屋の電気のon/offや消し忘れの通知」(65.2%)、「家の内外の遠隔監視」(58.3%)となり、『自宅で行いたい』という回答が過半数を超えたのは「荷物の到着日の変更(再配達依頼)」(67.6%)のみで、上位5項目のうち4つは『外出先で行いたい』という回答が過半数を占める結果となった。
「健康」「子ども」「仕事」に関するIoT、取り入れたいのは「体重、体脂肪計の確認、管理」、「子どもの居場所確認」、「業務に関するメールの確認」「子どもの居場所確認」は取り入れたい55.6%に対して利用3.1%で52.5ポイントの差
続いて健康に関するIoTやITデバイスを利用して行っていることについて聞いたところ(複数回答可)、全体の41.7%が何らかのIoTやITデバイスの利用を行ったことがあると回答し、利用したことがある項目の上位は「歩数の確認、管理」(25.6%)、「生理日の確認、管理(※女性512人のみ回答)」(11.8%)、「体重、体脂肪計の確認、管理」(11.7%)となった。
同じ項目でそれぞれの未利用者に対して、生活に取り入れたいかどうか聞いたところ、取り入れたいと回答された上位3つは「体重、体脂肪計の確認、管理」(42.7%)、次いで「血圧、心拍数など健康状態の確認、管理」(37.4%)、「自分の症状(熱、病気)の確認」(37.2%)となった。それぞれの実際の利用との差は「体重、体脂肪計の確認、管理」が利用11.7%に対して42.7%で31ポイントの差、「血圧、心拍数など健康状態の確認、管理」が利用4.7%に対して37.4%で32.7ポイントの差、「自分の症状(熱、病気)の確認」が利用7.6%に対して37.2%で29.6ポイントの差となった。
続いて、小学生以下の子どもを持つ親(n=384)に対して子どもに関するIoTやITデバイスを利用して行っていることについて聞いたところ(複数回答可)、全体の22.9%が何らかのIoTやITデバイスの利用を行ったことがあると回答し、利用したことがある項目の上位は「子どもの病院の予約」(15.6%)、「子どもの健康状態、症状(熱、病気)の確認」(8.3%)、「子どもの勉強」(3.6%)となった。
同じ項目でそれぞれの未利用者に対して、生活に取り入れたいかどうか聞いたところ 、取り入れたいと回答された上位3つは「子どもの居場所確認」(55.6%)、次いで「預け先(幼稚園、保育園、託児所)の様子の確認」(55.2%)、「子どものモニタリング」(50.8%)となった。それぞれの実際の利用との差は「子どもの居場所確認」が利用3.1%に対して55.6%で52.5ポイントの差、「預け先(幼稚園、保育園、託児所)の様子の確認」が利用1.6%に対して55.2%で53.6ポイントの差、「子どものモニタリング」が利用1.0%に対して50.8%で49.8ポイントの差となった。
続いて、会社員、公務員(n=467)に対して仕事に関して自分自身のITデバイスを利用して行ったことがあることについて聞いたところ(複数回答可)、全体の39.4%が何らかのことをITデバイスの利用を行ったことがあると回答し、利用したことがある項目の上位は「業務に関するメールの確認」(27.2%)、「自宅での仕事」(18.4%)、「交通費精算の申請」(12.4%)となった。
同じ項目でそれぞれの未利用者に対して、生活に取り入れたいかどうか聞いたところ、取り入れたいと回答された上位3つは「業務に関するメールの確認」(31.5%)、次いで「遅延証明書の発行」(28.5%)、「自宅での仕事」(27.6%)となった。それぞれの実際の利用との差は「業務に関するメールの確認」が利用27.2%に対して31.5%で4.3ポイントの差、「遅延証明書の発行」が利用3.9%に対して28.5%で24.6ポイントの差、「自宅での仕事」が利用18.4%に対して27.6%で9.2ポイントの差となった。
IoTを取り入れない理由は「費用がかかる」(37.3%)、「設定が面倒」(36.1%)、「やり方を調べるのが面倒」(26.8%)、男女の理由でもっとも差が開いたのが「やり方がわからない」
IoTやITデバイスの利用に関して「生活に取り入れたい」と回答した項目が5つ以上あった731人を対象に、なぜ興味があるのに取り入れないのか聞いたところ(複数回答可)、取り入れない理由の上位3つは「費用がかかる」(37.3%)、次いで「設定が面倒」(36.1%)、「やり方を調べるのが面倒」(26.8%)となった。
これを性別に見ていくと、男性(n=346)の理由の上位3つは「費用がかかる」(37.0%)、「設定が面倒」(34.7%)、「セキュリティが不安」「自宅には必要以上の機能」(23.1%)、女性(n=385)の理由で上位3つは「費用がかかる」(37.7%)、「設定が面倒」(37.4%)、「やり方を調べるのが面倒」(30.6%)となった。男女の理由でもっとも差が開いたのは「やり方がわからない」で、男性が18.8%に対し、女性は29.4%と、10.6ポイントの差があった。
暮らしに対する不満は「自分の趣味に使える時間」(22.8%)、「自宅の防犯対策」(22.4%)、「病院やレストラン、施設などへの予約方法や待ち状況の確認」(18.6%)20代~40代は「自分の趣味に使える時間」、50代~60代は「自宅の防犯対策」が最も大きな不満
続いて、スマートフォンを所有している1,000人に対して、自分の暮らしに対して不満があるか聞くと(複数回答可)、何らかの不満があると回答したのは全体の70.6%で、上位に挙がった理由は「自分の趣味に使える時間」(22.8%)、「自宅の防犯対策」(22.4%)、「病院やレストラン、施設などへの予約方法や待ち状況の確認」(18.6%)となった。「いずれも満足している」と回答したのは29.4%と、3割に満たなかった。
これを年代別に見てみると、20代~40代では「自分の趣味に使える時間」、50代~60代では「自宅の防犯対策」が最も大きな不満となった。
IoTに対するイメージは「生活の利便性が向上しそう」(46.4%)、「時間を効率的に使えそう」(37.3%)、「楽に暮らせそう」(35.7%)、上位はポジティブなイメージが占める
スマートフォンを所有している1,000人に対して、IoTに対するイメージを聞いてみると(複数回答可)、上位5項目は「生活の利便性が向上しそう」(46.4%)、「時間を効率的に使えそう」(37.3%)、「楽に暮らせそう」(35.7%)、「豊かな気持ちで暮らせそう」(29.5%)、「安全に暮らせそう」(29.1%)と、ポジティブなイメージが占めた。ネガティブなイメージで最も多かったのは「情報が犯罪に活用されそう」(25.8%)となった。
執筆者:森 路子
※本調査レポートの百分率表示は四捨五入の丸め計算を行っており、合計しても100%とならない場合がございます。
(提供:MMD研究所)