リノベーションのこだわりは千差万別です。物件を購入してからリノベーション会社を探し、じっくりプランを練りたいという人もいるでしょう。しかしその場合、住宅ローンを利用して工事費用を準備することが難しくなり、資金計画が難航することがあるので注意が必要です。中古住宅のリノベーションに住宅ローンを利用するには、どうすればいいのでしょうか。

中古住宅購入時の住宅ローン 希望通りに借りられない場合も

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(画像=リビタ)

住宅ローンは土地・建物を担保にしてお金を借りますが、中古住宅は新築と比べていくらか減価償却された状態なので、担保価値が目減りしています。そのため、希望の金額や返済期間で住宅ローンを借りることが難しいケースがあります。

気を付けたいのは、1981(昭和56)年以前に建てられた住宅を購入する場合です。

1981年6月1日の建築基準法改正で耐震基準が大きく変更されたため、これ以前に確認申請をして建てられた建物は新耐震基準に適合していないとみなされてしまいます。そのため住宅ローンの審査において、銀行によっては取り扱えなかったり、担保評価を下げられたりしてしまう場合があります。

古い建物すべてが担保評価を下げられるというわけではありませんが、住宅ローンを組む際は慎重に資金計画を立てなければならないことを心に留めておきましょう。

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(画像=リビタ)

物件購入後にリノベーション会社を探すと後悔する?

物件との出会いは一期一会です。希望のエリアで気に入った中古住宅が見つかれば、すぐに飛びつきたくなるかもしれません。まずは物件を購入し、それからリノベーション会社を探してプランニングしてもらおうと思うのも無理はありません。

しかし資金計画の観点では、この進め方はあまりおすすめできません。

一般的に中古住宅の売買では、契約後すみやかに住宅ローンの申し込みをするよう求められます。実際は購入の申し込みと同時に仮審査の申し込みを行うことが多いのですが、このタイミングでリノベーションの適切な金額を算出し、物件購入とリノベーションの工事費を一括で審査申請するのは非常に難しいです。

そのため、詳しい流れや情報を知らなければ、住宅ローンを利用して準備できる資金は物件購入費用のみとなってしまいます。この場合リノベーション工事の費用に関しては、別のローンを利用するか、自己資金でまかなわなければいけません。

別のローンを利用する場合、新たに住宅ローンを利用するのは難しいでしょう。住宅ローンには担保となる物件が必要ですが、既に他の住宅ローンの担保となっている物件は評価が大変厳しくなるからです。

担保を必要としないリフォームローンを用意している金融機関も多くあります。しかし借入額の上限は500万~1,500万円程度とばらつきがあり、住宅ローンに比べて金利が高く、返済期間も短く設定されています。

借入額が減れば、希望通りのリノベーションができないかもしれません。引越後の生活もダブルローンを抱えた状態なので、家計のやりくりが厳しくなる覚悟も必要です。

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ワンストップで頼める会社を探せば住宅ローンの借り入れもスムーズに

住宅ローンをフル活用して明確な資金計画を立てるためには、物件探しからリノベーション工事までをワンストップでお願いできる会社を探すとよいでしょう。

ワンストップでサービスを提供してくれるリノベーション会社を通して物件を探すと、購入前の段階でリノベーションしやすい物件かどうかの確認や大まかなプランニング、工事完成までの費用見積もりまでが可能になります。

物件の購入を決めると同時に工事見積書を取得できれば、リノベーション費用も含めて一括で住宅ローンの申し込みができるため、工事費用が足りなくなる心配もありません。

リノベーション会社の中には、自社でリノベーション向きの物件をストックし紹介している会社もあります。自社で紹介していない物件でも、REINS(レインズ:不動産流通標準情報システム)に登録されていれば取り扱いが可能です。気になる物件を見つけたら、リノベーション会社へ情報を持ち込んで相談するのも一つでしょう。

住宅ローンを最大限に利用して、理想のリノベーションを実現しましょう

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(画像=リビタ)

ハードルが高く思える中古住宅購入+リノベーションの住宅ローン利用ですが、スムーズに資金計画を立てるためには以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

・物件の建築年を確認する
・銀行によって審査の基準が異なることに注意する
・リノベーション会社のワンストップサービスを利用する

希望通りのリノベーションを実現するには、工事予算をしっかり確保することが重要です。住宅ローンを上手に利用して、理想の住まいを手に入れましょう。(提供:のくらし

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