不眠や倦怠感、頭痛などの体調不良に悩まされるものの、医師による診察では異常が見つからず、症状がなかなか改善しないというケースがあります。こうしたケースでは、体内に蓄積された有害重金属について検査をして、今後の健康のための指標とすることも一助となりえます。有害重金属の検査と耳にすれば、大掛かりなものを想像してしまうかもしれませんが、検査は毛髪150本ほどを採取すれば実施できるほど、いたってシンプルなものです。

社会的な公害問題まで引き起こした有害重金属

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(写真= KOBRIN PHOTO/Shutterstock.com)

健康な体を維持するのに必要な栄養素はいくつかありますが、その1つがミネラルです。そのミネラルは金属と非金属に分類され、金属のうち一定以上の比重があるものがさらに重金属に分けられます。主な重金属としては、鉄、亜鉛、銅、マンガン、モリブデンなどがあります。

重金属がもたらす健康被害に関しては、メチル水銀による水俣病やカドミニウムによるイタイイタイ病など高度経済成長時代に深刻な社会問題に発展した公害が挙げられます。

過去の教訓から、国際的な耐容基準が設置され、厚生労働省による基準も存在し、さらに流通する魚介類や米は国や自治体を通して検査が実施されており、食品の摂取にあたっては、過度に神経質になる必要はなさそうです。

一方で、自然界に存在する水銀は、雨が降り川や海に流れると、微生物の働きによってメチル水銀に変化することが指摘されています。海中のメチル水銀は魚介類に蓄積され、それを食べた人の体内に入り込んでしまうのです。

また、カドミニウムについては、火山や鉱山地域に存在し、魚や米の摂取を通じて体内に蓄積されるルートがあります。こうしたルートを経て、体内に取り込まれたミネラルのバランスがうまく保てないと、冒頭のような体調不良につながるケースがあります。また、かつての日本のように、環境汚染問題に直面する新興国で駐在した経験などがあれば、重金属が体内に蓄積されている可能性もあります。

検査費用は約1万円 

毛髪検査では、有害重金属は体内で蓄積され、ミネラルバランスが崩れていないかをチェックします。具体的な検査項目を一例として挙げると、ナトリウムやカリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、銅、亜鉛など13元素を体内に必須のミネラルとし、カドミニウム、水銀、鉛、ヒ素、ベリリウム、アルミニウムを有害金属として体内の蓄積量を調べます。必須ミネラル、有害金属の濃度やバランスを総合的に判断して、ミネラルバランスの乱れから生じる症状や今後の改善点などを検査結果とともに提供してくれます。

血液検査などと比較すると馴染みの薄い毛髪ミネラル検査ですが、検査費用は約1万円と、それほど高額ではありません。採取するのは髪の毛ですので、血液検査のように医療機関に出向く必要もありません。自宅に届けられた検査キットに、採取した髪の毛を150本ほど同封して検査機関に返送するだけで済みます。各機関にもよりますが、3週間ほどで検査結果が届けられます。

検査結果から、体内のミネラルバランスを確認し、体調不良の原因が体内に蓄積されたミネラルによるものかどうか判断することができます。特定のミネラルの蓄積量が基準値を超えている場合は、病院で診察を受けた方がよいでしょう。ミネラルは体内では合成することができないため、バランスの取れた食事で管理することが求められます。例えば、鉛の蓄積量が基準値以上で排出する必要がある場合、カルシウムがその排出に効果があるとされ、適切な食材を摂取したり、サプリメントを取り入れたりすることで、症状を改善することが期待できます。

経験した人はそれほど多くないかもしれませんが、わずか150本の髪の毛の採取によって健康状態をチェックできる毛髪検査は、原因不明の貧血やめまい、頭痛などの症状に悩まされている場合は、一度試してみる価値はありそうです。

文・J PRIME編集部

(提供:JPRIME

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