証券会社の人気度を表す口座開設数。数ある証券会社のうち、今回はネット口座開設数の上位10社を紹介する。上位5社の特徴についても解説しよう。

証券会社のネット口座開設ランキング 1位は野村、2位はSBI

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(画像=Bart Sadowski/Shutterstock.com)

ネット証券または店舗型総合証券のオンライントレード手数料は、対面取引の手数料に比べて安いのが一般的だ。新規の口座開設キャンペーンも積極的に行われており、ネット証券は初めて証券口座を開設する候補として外せない。証券会社を選ぶ際、役に立つのが口座開設数だ。口座開設数の多さは、総合的に見て評価が高く、人気があることの証でもある。

本ページの口座開設数ランキングでは、インターネット専業証券とオンライントレードを行っている店舗型総合証券を含めた広義のネット証券を対象としている。このうち、口座開設数を公開していない証券会社については、対象外とした。

証券会社のネット口座開設数ランキング上位10社(2018年9月末時点)
順位 ネット証券会社名 口座開設数 備考
1 野村證券 4,470千口座 ・店舗型総合証券
・オンライン取引専用口座「野村ネット&コール」の口座開設数
2 SBI証券 4,448千口座 ・インターネット専業証券
3 大和証券 3,264千口座 ・店舗型総合証券
・オンライントレード「ダイワ・ダイレクトコース」契約口座数
4 楽天証券 2,858千口座 ・インターネット専業証券
5 SMBC日興証券 2,166千口座 ・店舗型総合証券
・オンライントレード「日興イージートレード」利用可能な口座数
6 マネックス証券 1,793千口座 ・インターネット専業証券
7 松井証券 1,156千口座 ・インターネット専業証券
8 カブドットコム証券 1,102千口座 ・インターネット専業証券
9 GMOクリック証券 358千口座 ・インターネット専業証券
株式だけの証券取引口座数
10 岡三オンライン証券 193千口座 インターネット専業

※ 上記一覧表は、ネット証券各社の開示情報をもとに執筆者が作成したもの

野村證券――対面取引口座数を追い上げるオンライン取引専用口座「野村ネット&コール」

野村證券では、店舗での対面取引を主体とした「本・支店口座」とは別に、インターネットと電話による取引専用の「野村ネット&コール口座」を設けている。2018年9月末時点で、本・支店の残あり顧客口座数は5,318千口座、ネット&コール口座数は4,470千口座に上る。売買件数ベースで、全体の78パーセントがネット&コールによる取引だ。

2つの取引口座の手数料体系は異なり、野村ネット&コールの人気の理由は手数料の安さにあるのは間違いないだろう。例えば、現物株式取引の約定金額が50万円の場合、本・支店口座の手数料は3,510円であるのに対し、野村ネット&コール口座の手数料は515円だ。

野村ネット&コールの手数料は、主要インターネット専業証券の手数料に比べるとやや高めだ。それでも野村證券を選ぶ理由としては、証券業界の雄である野村證券ならではの安心感があることや、新規公開株式(IPO)の主幹事案件数が業界トップレベルで当選確率が高いこと、野村證券の専門家による独自の投資情報を無料で閲覧できることなどが挙げられる。ネットで予約すれば、無料で本・支店の窓口で資産運用などのコンサルティングが受けられるのも魅力だ。

SBI証券――さまざまなレベルの投資家ニーズに応えられるインターネット証券の王者

多種多様な金融商品を取り扱っており、投資情報も豊富で、何種類ものキャッシュバックキャンペーンも常時行われている。初心者から上級者まで、幅広いレベルの投資家のニーズに応えられるのがSBI証券の最大の特徴だ。

2019年1月17日現在、投資信託の取扱本数は2,705本、そのうちノーロードは1,359本で、主要インターネット証券5社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、カブドットコム証券)で最も多い品揃えだ。新規公開株式(IPO)の引受銘柄数も多く、2018年4月から9月までに上場した44社の引受関与率は97.7パーセントで、業界トップとなっている。SBI証券は、IPO投資を考えるなら口座開設しておきたいネット証券の筆頭だろう。

SBI証券は、口座開設数ランキングで野村證券に続いて第2位につけている。預り資産残高・委託売買代金・委託手数料などについて主要インターネット証券と比較すると、第2位の楽天証券を大きく引き離して連続第1位だ。

大和証券――業界で初めてオンライントレードを取り扱った証券会社

大和証券は業界でのオンライントレードの先駆けであり、20年以上の運用実績に基づく安定したオンラインシステムが特長。シンプルで使いやすい取引画面、多機能チャートや外債かんたん検索をはじめとした便利な分析ツール、四季報・日経テレコン21といった無料の投資情報ツールなどを利用できるのもポイントだ。

同一の証券総合口座で、料金体系の違う対面取引のダイワ・コンサルティングコースと、オンライン(インターネットとコンタクトセンター)取引のダイワ・ダイレクトコースのいずれかを選択する仕組みになっている。3ヵ月過ぎたらいつでもコースを切り替えられるので、状況に応じて使い分けができる。ダイレクトコースでも、必要に応じて店舗窓口で取扱商品について相談したり、専門知識を持ったコンタクトセンターのオペレーターから説明を受けたりできる。

IPO引受銘柄数や主幹事案件も多い。ネット証券としては手数料がやや高いものの、利用価値の高い証券会社と言えるだろう。

楽天証券――商品取引でポイントを貯めて楽天グループで利用できる

楽天証券で取引するメリットは、楽天グループのサービスを余すことなく活用できることだ。紹介プログラムのポイントプレゼントや取引手数料のポイントキャッシュバックで楽天スーパーポイントを貯めて楽天グループで利用する、または投資信託の購入に充てられるのはその一例だ。楽天銀行との連携プログラムにエントリーすれば、さらにポイントを貯められるので、楽天カード利用者にはお得なネット証券だ。

もう一つ、忘れてはならないのが楽天証券オリジナルの高機能トレーディングツール。パソコン向けの「MARKET SPEEDⅡ」とスマートフォン向けの「iSPEED」はどちらも優れた操作性と豊富な情報量で利用者から好評を得ている。今後トレーダーを目指すなら、楽天証券での口座開設も視野に入れるといいだろう。

SMBC日興証券――日興イージートレードの手数料は安さが魅力

SMBC日興証券の「日興イージートレード」は、ネット取引専用の「ダイレクトコース」、支店担当者とやり取りできる「総合コース」双方のオンライントレードの名称である。

日興イージートレードの手数料は、対面取引手数料に比べて格安だ。とりわけ、ダイレクトコースのオンライントレード手数料は、総合証券としては比較的安いのが魅力。現物株式の約定代金は10万円以下で135円、50万円なら432円、100万円でも864円となっており、主要インターネット証券のカブドットコム証券やマネックス証券の手数料水準に迫っている。

注目したいのは、日興イージートレード(ダイレクトコースの場合)での信用取引委託手数料が、約定代金や期間に関わらず常に無料であることだ。主要ネット証券で信用取引の手数料が無料になるのは、大口の信用取引である場合や、一定条件を満たした場合に限られることを踏まえるとお得感がある。将来信用取引もしてみたい人は、覚えておきたい証券会社だ。

文・近藤真理(フリーライター)/MONEY TIMES

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