「Z世代を購買層に取り込めそうな企業はどこか。それが問題だ」ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)をたたみながら知り合いの資産家がそういった。現在、米国経済において最も注目されているのがミレニアル世代である。彼らは米国の総人口の25%、労働者の35%を占め、経済の最も重要なパラメータの一つである「数」において存在感を増している。彼らの消費性向や投資スタンスが米国経済を大きく左右するといっても過言ではない。
しかし、気の早い人々はすでにポスト・ミレニアル世代、いわゆる「Z世代」に関心を寄せている。ワシントンD.C.に本拠を置くシンクタンク、ピュー・リサーチ・センターによると、Z世代は「1996年前後以降に生まれた人」で人種的に最も多様な世代とされている。年齢的にはまだ20代前半であるが、WSJやロイター等の経済メディアで度々取り上げられるなど注目度は高まっている。米企業のマーケターの関心も高く「Z世代に見向きもされない企業に未来はない」とまで言われるほどだ。さらに前述の通り、ウォール街でも「Z世代を購買層に取り込めそうな企業はどこか?」関心を寄せる資産家も少なくない。
今回は米国で注目を集める「Z世代」についてリポートしたい。