2019年2月6日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
注目されたトランプ米大統領の一般教書演説は、北朝鮮との会談の日程発表など新しい材料があったが、全体的にはこれまで通りトランプ米大統領の強気スタンスが維持された格好だ。一部を抜粋すると「中国は何年にもわたり、米国を狙って知的財産を盗んでいる」「メキシコ国境の壁は作る」といったように、やや強気トーンが目立つ内容となっている。講演前に融和姿勢を見せるのではとの思惑もあったため、ドル売りで反応した形だろう。しかし、サプライズはなく、値動きは限定的で米ドル/円は109.80円付近で方向感をなくしている。一方、トランプ米大統領の影に隠れていたが、同じ時間帯に行われていたRBAのロウ豪総裁の発言ではサプライズとなった。ロウ豪総裁が「インフレの停滞が続く場合、利下げが適切になる」との考えを示し、これまでのスタンスを転換させたことで豪ドルは急落し、対円でも78.61円付近まで下落するなど100pips近い下落となっている。
現在の為替相場の戦略やスタンス
米ドル/円はトランプ米大統領の一般教書演説でやや下押ししたが、レンジ内で次のテーマを探る時間帯が続いている。そうしたなか、明日7日(木)日本時間午前9時に予定されているパウエルFRB議長の講演に注目が集まるだろう。前回のFOMCでパウエルFRB議長は明確にハト派へと政策変更したものの、米ドル/円は下げ渋っており、株価の上昇や、米雇用統計を始め堅調な米経済指標からリスクオンの円安が米ドル/円の方向感をなくしている。ディーラー視点としてはそろそろどちらかに動いてほしいところでFOMCや米雇用統計後は初めてのパウエルFRB議長発言となるだけに今後の方向性を見出していきたい。ただし、ここで動きが出ないのであれば米ドル/円はレンジと割り切ってトレードするしかないだろう。上値の目処は4日(月)の高値110.16円で、下値の目処は節目の109.00円付近か。
井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。