2019年3月13日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

注目されたEU離脱協定案は、土壇場でメイ英首相逆転合意との憶測もあり、ポンドは上昇する場面もあったが、結果は賛成242票、反対391票となり、大差で否決された。マーケットはある程度否決を織り込んでいたため、上下に乱高下こそあったものの、そこまで荒れる動きにはならなかった。さて、逆転合意もなくなり、これであしもとでは「合意なき離脱」と「EU離脱期限延長」の2択に絞られた格好だ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今後のスケジュールだが、本日13日(水)は「合意なき離脱」の是非を問う採決が行われる。前回否決されたことを考えれば今回も否決が濃厚だ。そして否定されれば明日14日(木)に離脱期限延長の是非を問う採決を行い、可決されればEU側に延長申請をすることになる。EU離脱期限が延長されれば一定の安心感が生まれるほか、さすがに「合意なき離脱」は回避できるとの思惑からかポンドは上昇のモメンタムになるかもしれない。しかし、EU離脱協定案は2回目の今回も大差で否決となっただけにEU側にとっては「またか」といった印象だろう。ユンケル欧州委員長も「今回の合意案かEU離脱が実現しないかのどちらかだ」と警告しているほか、トゥスクEU大統領も「離脱延期をするならば信頼できる理由が必要」としている。EU側がこれ以上の交渉余地はないと延長を認めないことも十分考えられる。また、延長したとしても欧州議会選挙が行われる前の5月23日までだろう。さらには「投票のやり直し」「メイ政権不信任案」など、どこからともなく飛んでくるヘッドラインに振らされることは必至だ。腹を決めてロングでスイングするか、ストップをタイトに短期順張りでついていくか。いずれにせよ高ボラティリティのポンドはポジションサイズを通常の半分以下に抑えるべきだろう。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。