上品にまとめられたエクステリア&インテリアが◎
ここ最近のキャデラックは、どれも素晴らしいクオリティだ。
フラッグシップモデル、CT6のインテリアはドイツ車とは違った独創的な質感で、乗る人に満足を与えた。
このXT5には綺麗に切削されたホイールが装着されているが、これ見よがしに目立った部分もなく、至って上品にまとめられている。
ドアを開けると以前のアメリカ車とは違い、繊細で精度も高い感触だ。
さらに上級グレードは、人工スエードとオーバーレイヤーさせた作りで、モダンな家具やバッグをほうふつとさせる。
本物のマホガニー(赤茶色の主に家具などに使われる木材)も使っていて、同乗者は心も豊かになるであろう。
全長が4825mmと、決して長くないサイズだが、エンジンが横置きなのでスペースが取れる。そのため、ゆったりとしたドライビングポジションが得られる。
シートポジションはきめ細かく調整が可能だ。そしてフロントボンネットが短いので視認性はとても良好だ。
アメ車らしいソフトな乗り心地ではなく引き締まったスポーティさを感じた
エンジンを始動する。搭載される3.6L V6のアイドリングはとても静かだ。
キャデラック初のバイワイヤ式シフトレバーをDレンジに倒して発進する。フラットで穏やかな特性は運転していて滑らかさを感じる。
アクセルを開けて速度を増すと、8速ATは滑らかにシフトアップしてくれるので、快適なドライビングが可能だ。
ストップ&ゴーが連続するところでは、いささかシフトチェンジが多くなる場面もあったが個体差によるものかもしれない。
4WDのコントロールは至ってナチュラルでステアリングなどには全く影響がない。
乗り心地はソフトではなくスポーティな一面が垣間見られる。アメリカらしい雰囲気よりも引き締まっている感覚だ。
クリーンなエクステリアと上品な内装は、アメリカで席巻しているアウディ Q5あたりと比べると優しさに包まれたような安心感がある。
ドイツ車との違いを明確にした感じが強い。
日本には左ハンドルのみ設定されたが、妙に意識せず乗れる乗りやすさは心得ている。
上品さを意識したクロスオーバーを狙っている方であれば一見の価値は十分ある。
photo/尾形和美
【スペック・諸元表】※試乗車
■グレード:ラグジュアリー ■乗車定員:5名
■エンジン種類:V型6気筒DOHC ■総排気量:3649cc
■最高出力:231(314)/6700 [kW(ps)/rpm]
■最大トルク:368(37.5)/5000[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:8AT
■全長x全幅x全高:4825 x 1915 x 1700(mm) ■ホイールベース:2860mm
■ガソリン種類/容量:ハイオク/82(L)
■車両価格:668万5200円(税込)
(提供:カーセンサー)