今、世界で一番注目されている日本人といえば、誰を連想するでしょうか。イチロー選手や大坂なおみ選手を思い浮かべる人も多いかもしれません。

しかし、「こんまり」こと、「近藤麻理恵氏」も、今、アメリカを中心に、世界で注目を浴びています。キレイに部屋を整頓していく番組が大ヒットし、今勢いのある彼女。彼女が提唱する、「こんまりメソッド」とともに紹介します。

「Konmari」が「片づける」の意味で使われる?こんまりメソッドが全米で大ヒット

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(画像=Kostikova Natalia / Shutterstock.com)

今、アメリカの間で、「konmari」という単語が、動詞として使われています。これは、「こんまりメソッドで片づける」という意味のようです。日本で、Googleを使って検索することを、「ググる」というように、アメリカでは、「konmari」が片付けを代表する言葉になっているのです。

この言葉のもとになっているのが、「こんまり」こと、「近藤麻理恵氏」です。こんまりの書籍「人生がときめく片付けの魔法」がアメリカで翻訳されて出版されると、たちまちブームになり、2015年には、TIME誌が選ぶ、「世界に影響を与えた100人の人物」にも選ばれています。

そんなこんまりが、今年1月、Netflixの番組となったことにより、さらに人気に火がつきました。現在、アメリカでは、同番組を皮切りに、一つの社会現象にまでなっているそうです。

注目される、こんまりメソッドとは何なのか

では、注目されている、「こんまりメソッド」とは何なのか、改めて確認してみましょう。

こんまりメソッドは、「spark joy(ときめくかどうか)」でモノを判断し、ときめかなければ処分する、というスタイルだ。まず衣類から入り、本、書類、小物類、そして最後に思い出の品を整理する。部屋単位でなく、モノ単位で整理する、残すかどうかは、手にとって、「ときめくかどうか」で決める。などのルールがある。こんまりメソッドの片付けは、「モノを通して自分と対話する作業」であり、「一気に、短期に、完璧に」やりとげることが重要だとされています。

なぜこんまりが、アメリカでヒットしたのか

では、なぜ、こんまりが、アメリカでここまでヒットしたのでしょうか。背景を探ってみましょう。

1つは、アメリカの消費に対する不安や、物質主義、拝金主義に対するアンチテーゼとなっているからです。現在、アメリカでは、クレジットカードの貸出残高、および貸し倒れ率も増加傾向にあるなど、過剰消費の傾向があり、さらに、その過剰消費で、返済がきちんとできるか不安な人が増えています。そういった中で、「こんまりメソッド」は、新しい消費をすることなく、今までのモノを大事にする、モノを減らすといった、これまでとは異なる、新しい形でモノと向き合う方法になります。こういった、消費しないモノとのかかわり方が、今、アメリカ人に受けているのです。

もう1つは、こんまり氏が「新しい生き方」を提唱していることです。こんまりメソッドでは、片付けをすることを通じて、「家族との絆を大切にする」「モノに感謝する」「ささやかな幸せを大事にする」という価値観を提供しているからです。SNSの発達による個人志向の増加や、格差拡大による社会不安など、アメリカの多くの人も不安を抱えています。そういった中で、こんまりメソッドが提唱する生き方は、不安を解消し、ささやかな幸せを感じることができる価値観を与えてくれるとして、自己啓発としても人気があるのです。

こんまりメソッドで、日本的価値観が注目を浴びる

これまでも、時代によって、「禅」の思想など、日本的な価値観がアメリカでブームになり、注目を浴びたことはあります。今回は、そういった思想に加えて、部屋がきれいになるという実利を伴う形もあり、こんまりメソッドが注目されていると言えるでしょう。

こんまりメソッドは、アメリカ人だけでなく、もちろん日本人にも効果があります。もし、何か不安があるようでしたら、こんまりメソッドに沿って、片付けを始めてみてもいいかもしれません。

文・J PRIME編集部(提供:JPRIME


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